2025年10月13日、184日間にわたる壮大な祭典「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」がついにその幕を閉じます。この最終日は単なる終わりではなく、万博が掲げた「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマを未来へと解き放つ、極めて重要な移行の瞬間として位置づけられています。閉幕式のテーマは「For the Futures」。これは、万博に関わったすべての人々の「それぞれの未来のはじまり」を感謝と称賛とエールで送り出す場として設計されています。会場では朝から夜まで、厳粛な式典から大規模なエンターテインメント、パレード、花火まで、多種多様なイベントが同時多発的に展開されます。この歴史的な一日を最大限に楽しむために、閉幕日に開催される主要イベントの詳細と、万博が遺すレガシーについて詳しく解説していきます。

関西万博の閉幕日はいつ?最終日に開催される主なイベントは?
関西万博の閉幕日は2025年10月13日(月曜日)です。この日は朝から夜まで、会場全体で多彩なイベントが繰り広げられます。
最終日の主なイベントとしては、まず午前9時20分頃からイタリア館で閉幕セレモニーが開催されます。2026年のミラノ・コルティナ冬季五輪にちなんで、オリンピックメダリストが特設スケートリンクでパフォーマンスを披露する特別な演出が予定されています。
午後には14時00分から15時10分まで公式の閉会式がEXPOホール「シャインハット」で執り行われます。万博の名誉総裁である秋篠宮皇嗣殿下がご臨席され、内閣総理大臣による挨拶や、博覧会国際事務局(BIE)旗が次期開催国へ引き継がれる歴史的な瞬間が訪れます。
閉会式と並行して、13時00分から19時00分までの6時間にわたり、JR西日本グループが主催する大規模エンターテインメント「ありがとうと旅立ちの祭典」がEXPOアリーナ「Matsuri」で開催されます。このイベントは3部構成で、日本の伝統文化から豪華アーティストによる音楽ライブまで、多彩なプログラムが用意されています。
夕方の16時00分から17時00分には、参加158カ国・7国際機関の万国旗によるフラッグパレードが会場を練り歩きます。西ゲート広場から大阪ヘルスケアパビリオン前までのルートで、国際的な祝祭の雰囲気を最高潮に盛り上げます。
夜には18時35分から約5分間の花火大会が開催され、万博のフィナーレを夜空に彩ります。その後、19時10分と20時30分の2回にわたり、万博を象徴する水上スペクタクルショー「アオと夜の虹のパレード」が上演され、20時57分の2回目公演の終了をもって、すべての公式プログラムが完結します。
さらに終日を通じて、会場各所のポップアップステージでは世界各国の音楽や舞踊を楽しめる「Matsuri of The World」が開催され、ギャラリーWEST.では万博関係者がペイントしたミャクミャク作品の展示、ギャラリーEAST.では184日間の軌跡を振り返る写真展も鑑賞できます。最終日は、会場のあらゆる場所で感動と祝福に満ちた特別なイベントが展開される、まさに万博のグランドフィナーレにふさわしい一日となります。
関西万博閉幕日の閉会式はどこで見られる?視聴方法と式典の内容は?
関西万博の閉会式は、EXPOホール「シャインハット」で2025年10月13日の14時00分から15時10分まで開催されます。ただし、会場への入場は招待者に限定されているため、一般の来場者は直接会場内で観覧することはできません。
しかし、閉会式の模様は広く公開されます。会場内では2か所でパブリックビューイングが実施され、EXPOアリーナ「Matsuri」とEXPOナショナルデーホール「レイガーデン」の大型スクリーンで式典を観覧できます。万博に来場している方は、これらの会場で歴史的な瞬間を体験することができます。
自宅や遠方から視聴したい方には、複数の選択肢が用意されています。NHK総合テレビで全国に生中継されるほか、公式YouTubeチャンネルやバーチャル万博を通じて全世界にライブ配信される予定です。インターネット環境があれば、世界中どこからでもリアルタイムで閉会式を視聴できます。
式典の内容は、外交的儀礼と文化的パフォーマンスが融合した格調高いプログラムとなっています。博覧会協会事務総長による開閉式の辞に始まり、協会会長、大阪府知事、そして内閣総理大臣による挨拶が行われます。万博の名誉総裁である秋篠宮皇嗣殿下がご臨席され、おことばを賜る場面は、式典に国家としての最高の権威と格式を与える重要な瞬間です。
式典では3つの特別なパフォーマンスプログラムが披露されます。「結 -MUSUBI-」では万博のつながりをテーマに、「EXPO World Journey. 世界を旅するいのちの物語」では会期中の感動を振り返り、そして「Start for the Futures. ~それぞれの未来へ」では未来への始動を芸術的に表現します。
式典のクライマックスは、博覧会国際事務局(BIE)旗の引き渡しです。BIE旗は、2027年に開催されるベオグラード国際博覧会(専門博)、そして2030年のリヤド国際博覧会(登録博)の代表者へと正式に引き継がれます。特に2030年リヤド万博への旗引き渡しでは、次期開催国の紹介映像プログラム「A journey of foresight」が上映され、世界の注目が次の舞台へと明確に移る象徴的な演出となります。この儀式は、国際博覧会というムーブメントの継続性を体現するものであり、ドバイ万博やミラノ万博など、過去のすべての万博閉会式で行われてきた伝統的な儀式です。約70分間の式典を通じて、感謝と祝福、そして未来への希望が表現される、極めて象徴的なフィナーレとなります。
関西万博最終日のおすすめイベントは?「ありがとうと旅立ちの祭典」の見どころを教えて
関西万博最終日の最大のおすすめイベントは、JR西日本グループが主催する「ありがとうと旅立ちの祭典~Thank you for all…~」です。このイベントは13時00分から19時00分までの6時間にわたりEXPOアリーナ「Matsuri」で開催され、閉幕日のパブリックイベントの核となる大規模なエンターテインメントです。
ただし、このイベントの観覧には万博入場券とは別に事前予約が必要となりますので、参加を希望される方は早めに予約手続きを完了させることをおすすめします。イベントは3部構成で、それぞれが異なるテーマと魅力を持っています。
第1部(13:00~16:15):美しい日本の文化・伝統による「おもてなし」では、日本の伝統文化の粋を集めたプログラムが展開されます。元サッカー日本代表の中田英寿氏がプロデュースする日本酒のステージイベントが開催され、厳選された日本酒の紹介と試飲ブースが設けられます。さらに、会期中に人気を博した徳島阿波おどりや岸和田だんじり祭といった日本を代表する祭りが再演され、会場を熱気で包みます。参加国・地域の旗が一堂に会する「フラッグセレモニー」も行われ、国際的な雰囲気を醸成します。
第2部(17:30~18:40):EXPO Thanks LIVEは、万博にゆかりのある豪華アーティストによる音楽ライブです。出演者には、コブクロ、西川貴教、平原綾香、アバンギャルディ、CANDY TUNEといった、日本の音楽シーンを代表するトップアーティストが集結します。彼らのパフォーマンスを通じて、万博に関わったすべての人々への感謝が音楽という形で表現されます。生演奏で聴く名曲の数々は、万博の思い出を胸に刻む特別な時間となるでしょう。
そして祭典のフィナーレを飾る第3部(18:40~19:00):「旅立ち」のステージは、最も感動的なハイライトです。誘致から会期中に至るまでの万博の軌跡をまとめた映像が流された後、人気ピアニストのハラミちゃんが登場し、特別なピアノを演奏します。そのピアノとは、1970年の大阪万博のために製造されたエメラルドグリーンのグランドピアノ、通称「万博ピアノ」です。55年の時を経て蘇ったこの歴史的な楽器の音色は、世代を超えた架け橋を築き、1970年の「人類の進歩と調和」と2025年の「いのち輝く未来社会のデザイン」という二つの時代のテーマを音楽を通じて結びつけます。
このイベントは、伝統文化から現代音楽、そして歴史的遺産まで、多層的な魅力を持つプログラムとなっており、幅広い年齢層が楽しめる内容です。6時間という長時間のイベントですが、それぞれのパートが独立した魅力を持っているため、一部だけの参加も可能です。最終日の感動を最大限に味わいたい方には、ぜひ体験していただきたいおすすめのイベントです。
関西万博閉幕日に花火やパレードはある?夜のスペクタクルショーの時間は?
はい、関西万博の閉幕日には花火大会とフラッグパレードの両方が開催されます。さらに、万博を象徴する夜のスペクタクルショーも最終公演を迎えます。
まず、フラッグパレードは16時00分から17時00分に開催されます。参加158カ国・7国際機関の万国旗が、EXPOアリーナ「Matsuri」付近から大阪ヘルスケアパビリオン前までのルートを練り歩く壮観なパレードです。世界中の国々の旗が一堂に会し、万博の国際的な精神を象徴する感動的な光景が広がります。このパレードは予約不要で観覧できるため、会場内にいれば誰でも自由に楽しむことができます。各国の多彩な旗が秋の夕暮れの光の中で揺れる様子は、万博最終日ならではの特別な体験となるでしょう。
日が暮れると、万博のフィナーレを彩る「EXPO Thanks 花火大会」が18時35分から18時40分まで約5分間開催されます。打ち上げ場所は大屋根リング外の南側エリアです。短い時間ではありますが、万博の感謝と祝福を込めた壮大な花火が夜空を焦がし、会場全体を感動で包みます。この花火大会も予約不要で、会場内の適切な場所から観覧することができます。
花火の後は、万博を象徴する水上スペクタクルショー「アオと夜の虹のパレード」が最終公演を迎えます。このショーは19時10分から19時37分までの1回目と、20時30分から20時57分までの2回目の計2回上演されます。会場はウォータープラザで、予約エリアと予約不要エリアの両方が用意されています。確実に良い場所で観覧したい方は予約をおすすめしますが、予約なしでも観覧可能なエリアが設けられています。
水と空気を駆使した壮麗な演出、光と音楽が織りなす幻想的な世界は、会期中多くの来場者を魅了してきました。最終日の公演では、184日間の感動を凝縮した特別な演出が期待されます。特に20時30分からの2回目公演が、万博のすべての公式プログラムの掉尾を飾る最後のイベントとなります。
さらに、水上ショーと並行して19時37分から19時45分には「One World, One Planet.」というプロジェクションマッピングショーが大屋根リングに映し出されます。世界最大級の木造建築物である大屋根リングが巨大なスクリーンとなり、万博のメッセージを光の芸術で表現する感動的な演出です。こちらも予約不要で観覧できます。
これらの夜のイベントは、会場の複数のポイントで同時多発的に展開されるため、来場者は自分だけの最後の万博体験を組み立てることができます。感動的な最終日の夜を存分に楽しむために、事前にスケジュールを確認し、どのイベントを優先するか計画を立てることをおすすめします。
関西万博の閉幕後はどうなる?会場跡地の再開発計画とレガシーについて知りたい
関西万博は2025年10月13日に閉幕しますが、会場が遺す影響はそこから始まります。万博のレガシー(遺産)は、物理的な「ハードレガシー」と、無形の「ソフトレガシー」の両面から構成される包括的な計画が進んでいます。
会場跡地の再開発計画について、夢洲の万博会場は新たな都市拠点として生まれ変わります。敷地内にはサーキットやアリーナといったエンターテインメント施設、ホテル、商業施設などが整備される予定です。民間事業者と連携した商業的に実現可能な再開発計画を前提としており、巨大建造物が活用されずに負の遺産となることを避ける現実的なアプローチが取られています。
万博の象徴的な建造物の一部は、記憶を伝えるモニュメントとして保存・活用されます。世界最大級の木造建築物である大屋根リングは、その一部(北側約200m)が保存され、万博の記憶を後世に伝える象徴として残されます。また、会場内の憩いの空間であった「静けさの森」も緑地として保存・再整備され、都市の中の貴重な自然環境として活用されます。
大阪ヘルスケアパビリオンの建物の一部も保存され、万博のテーマを継承する健康・医療分野のイノベーション拠点として活用される計画です。万博で展示された先進的な医療技術やヘルスケアの取り組みが、実際の社会実装へとつながることが期待されています。
しかし、万博が最も重視するのは「ソフトレガシー」です。これは「技術、取組み、つながり、アイディア、仕組み」といった知的・人的資産を指します。万博は「未来社会の実験場」として、自動運転や次世代モビリティといった最先端技術を試験的に導入してきました。これらの技術を万博後の社会に実装していくことが、最も重要なレガシーとなります。
万博を通じて生まれた国際的なネットワークや市民参加のコミュニティを維持・発展させ、SDGs達成などの地球規模課題への取り組みを継続することも重要な目標です。184日間で培われた人と人とのつながり、国と国との協力関係は、万博閉幕後も継続的に価値を生み出す資産となります。
さらに、関西全体のブランディングも重要なレガシーです。「関西国際未来コンソーシアム(仮称)」のような構想では、万博の勢いを活用し、関西一帯を文化と自然が融合する「アート&バイオリージョン」として世界に発信することを目指しています。万博で世界中から注目を集めた関西地域が、持続的な魅力を持つ国際的な拠点として発展していくことが期待されています。
大阪・関西万博のレガシー構想は、過去の万博の経験から学び、物理的な遺産と無形の遺産を両立させる「ハイブリッド型」を目指しています。閉幕式のテーマ「For the Futures」が象徴するように、万博という壮大な共同体験を終えた私たち一人ひとりが、その経験を糧に自らの未来を、そして社会の未来をデザインしていくことこそが、万博が遺す最大のレガシーとなるのです。
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