2025年大阪・関西万博のシンボルとして多くの来場者の記憶に刻まれた大屋根リングは、ギネス世界記録に認定された世界最大の木造建築物です。万博会場内から眺めるその雄大な姿も圧巻でしたが、実は海上から眺める大屋根リングには、また違った特別な魅力があります。大屋根リング鑑賞クルーズは、大阪湾を航行しながら、この巨大なリング状の建築物を海上という特別な視点から楽しむことができる貴重な体験です。会場内では決して見ることのできない角度から、全周約2キロメートルにも及ぶ大屋根リングの全体像を一望できます。この記事では、大屋根リング鑑賞クルーズを楽しむために必要な情報として、予約方法、料金、所要時間をはじめ、乗船場所やアクセス、クルーズの見どころ、撮影のコツ、さらには周辺の観光スポットまで、詳しくご紹介します。万博閉幕後も続く大屋根リングの魅力を、海上から満喫するための完全ガイドとしてお役立てください。

世界最大の木造建築物・大屋根リングの圧倒的な魅力
大屋根リングは、2025年大阪・関西万博の会場デザインの根本理念である「多様でありながら、ひとつ」という思想を形にした、会場全体のシンボル的存在です。建築家の藤本壮介氏がデザインプロデューサーを務めたこの建築物は、日本の伝統的な建築技術と現代の先進的な工法を見事に融合させた、まさに日本が世界に誇る傑作といえます。
2025年3月4日には、ギネス世界記録において最大の木造建築物として正式に認定されました。その建築面積は61,035.55平方メートルにも及び、これは世界のどの木造建築物をも凌駕する規模です。この巨大な構造物には、日本の神社仏閣などの建築に古くから使用されてきた伝統的な貫接合という技術に、現代の先進的な工法を加えて建築されています。
使用された木材にも大きな特徴があります。国産木材が全体の7割を占め、主にスギとヒノキが採用されています。残りの3割は外国産木材で、オウシュウアカマツが使用されています。このように国産木材を積極的に活用することで、日本の林業振興にも大きく貢献している点が注目されています。
特に柱材の約50パーセントには四国産のヒノキが採用され、梁材には福島産のスギが使用されるなど、日本各地の優良な木材が集結しています。これらの木材は、日本の伝統的な建築技術を何百年も支えてきた素材であり、現代の大規模建築にも十分に応用できることを世界に証明する形となりました。
構造の核心となる貫接合は、日本の神社仏閣などで古くから使用されてきた伝統工法です。柱に穴を開け、横木である梁や貫材を通し、楔で固定するという基本的な仕組み自体は変わりませんが、大屋根リングでは接合部に鉄板とボルトを組み込むという現代的な工夫が加えられています。木材を金属で挟み込むように補強することで、接合部のぐらつきにくさが従来の約5倍に向上しました。この画期的な技術革新により、大規模な木造建築でも十分な強度と耐久性を確保することが可能となったのです。
大屋根リングのサイズは圧倒的です。内径は約615メートル、外径は約675メートルで、全周は約2キロメートルにも達します。幅は約30メートル、高さは約12メートルで、外側部分は約20メートルの高さがあります。この巨大なリング状の構造は、遠くからでもひときわ目立つ存在となっており、大阪湾からもその雄大な姿を確認することができます。
大屋根リングの屋上には「スカイウォーク」と呼ばれる回廊が設置されており、訪問者は約30分かけて1周することができました。この屋上からは会場全体をさまざまな角度から見渡すことができ、リングの外に目を向ければ、瀬戸内海の豊かな自然や夕陽を浴びた美しい光景、大阪の街並みなど、海と空に囲まれた万博会場の魅力を存分に楽しむことができました。
また、夜間には華やかなライトアップが実施され、幻想的な雰囲気を醸し出します。照明にはLEDが使用されており、3つの異なる夜の演出が用意されています。日没からは「暮」、午後8時からは「宵」、午後9時からは「夜」という3段階の演出があり、24節気に基づいて2週間ごとに季節の表情が変化する仕掛けとなっています。時間の経過とともに変わりゆく光の表情は、何度見ても飽きることがありません。
大屋根リングは、109個の木架構ユニットを円形につないで構成されています。この膨大な数のユニットを組み合わせることで、全周約2キロメートルという巨大な環状構造が実現されました。各ユニットは地上で組み立てられた後、クレーンなどの揚重機械を使って取り付けられる工法が採用されました。
建設工事は効率化のため、工区を約3分の1ずつに分割して進められました。北東工区は大林組・大鉄工業・TSUCHIYA JV(共同企業体)が、別の工区は竹中工務店・南海辰村建設・竹中土木JV、そして残りの工区は清水建設・東急建設・村本建設・青木あすなろ建設JVがそれぞれ実施設計と施工を担当しました。これらの日本を代表する大手建設会社が協力することで、限られた期間での完成が実現されました。
大屋根リング鑑賞クルーズの特別な体験
大屋根リング鑑賞クルーズは、ユニバーサルクルーズが運営する特別なクルーズツアーです。大阪・関西万博の閉幕後に開始されたこのクルーズは、大阪湾から大屋根リングを海上から鑑賞できる貴重な機会を提供しています。会場内から見上げる大屋根リングも素晴らしいですが、海上から眺める全体像には、また違った圧倒的な迫力があります。
当初は2025年10月18日から31日までの期間限定で開催される予定でしたが、予想を上回る人気の高まりを受けて、11月にも追加の運航日が設定されました。このクルーズは、万博会場内からとは全く異なる視点で大屋根リングを眺めることができる点が最大の魅力です。海上から見ることで、リングの巨大さや美しい円形のフォルムをより実感することができます。
クルーズで使用される船は、2階建ての旅客船「UC200」です。この船は快適な船内空間を備えており、大阪湾の波に揺られながら、リラックスした雰囲気で大屋根リングを鑑賞することができます。デッキからは開放的な景色を楽しむことができ、船内の座席からはゆったりと景色を眺めることができます。
運航は基本的に雨天決行ですが、悪天候の場合は安全のため運航が中止されることがあります。台風や強風、波浪警報が発令されている場合など、安全な航行が困難と判断された場合は、運航が見合わせられます。中止となった場合は、全額返金の対応が取られますので、安心して予約することができます。
予約方法を詳しく解説
大屋根リング鑑賞クルーズの予約は、専用のウェブサイトから簡単に行うことができます。予約サイトは「watercityportal.stores.jp」で、STORES(ストアーズ)というプラットフォームを利用しています。このプラットフォームは使いやすく、初めての方でもスムーズに予約を完了することができます。
予約の具体的な手順をご説明します。まず、上記のウェブサイトにアクセスします。サイト内で「大屋根リング鑑賞クルーズ」のカテゴリーを探し、希望する日時のクルーズを選択します。通常のデイクルーズと、ドローンショー鑑賞付きのナイトクルーズなど、複数のプランが用意されている場合がありますので、それぞれの内容をしっかりと確認してから選びましょう。
次に、参加人数を選択し、カートに追加します。複数名で参加する場合は、人数分のチケットを選択してください。家族やグループでの参加も大歓迎です。STORESのシステムを通じて決済を行います。決済方法は、クレジットカードや各種電子決済など、複数の選択肢が用意されています。お客様のご都合に合わせて、お好きな決済方法を選ぶことができます。
決済が完了すると、登録したメールアドレスに予約確認のメールが届きます。このメールには、乗船場所、集合時間、注意事項などの重要な情報が記載されていますので、必ず保存して当日持参するようにしましょう。スマートフォンに転送しておくと、当日の確認がスムーズです。
予約は先着順となっており、人気の高い日時は早期に満席となる可能性があります。特に週末や祝日、夕暮れ時や夜景が美しい時間帯のクルーズは非常に人気が高いため、早めの予約を強くおすすめします。希望の日時が決まったら、できるだけ早く予約手続きを進めることで、確実に席を確保することができます。
料金体系を明確に
大屋根リング鑑賞クルーズの料金は、クルーズの種類やプランによって異なります。それぞれの料金体系を詳しくご説明します。
標準的な昼間の大屋根リング鑑賞クルーズは、1人あたり3,300円です。これに加えて、決済手数料として2パーセントが別途かかります。したがって、実際の支払い額は3,366円となります。この料金には、乗船料、ガイドによる案内、船内での基本的なサービスが含まれています。約60分間の航行中、海上から大屋根リングの雄大な姿を存分に楽しむことができます。
特別なプランとして、ドローンショー鑑賞付きのナイトクルーズも用意されています。このナイトクルーズの料金は、1人あたり6,600円で、同様に2パーセントの決済手数料が加算されます。ドローンショー付きプランは、通常のクルーズに比べて所要時間も長く、より充実した内容となっています。夜空に舞うドローンと、ライトアップされた大屋根リングのコラボレーションは、まさに幻想的な光景です。
料金に含まれるサービスは、乗船料、ガイド案内、船内での基本的なサービスです。船内では、大屋根リングの建築的特徴や歴史、見どころなどについて、スタッフが丁寧に説明してくれます。ただし、船内での飲食物の販売がある場合は、それらは別料金となりますので、ご注意ください。
子供料金や団体割引については、予約サイトで最新の情報を確認することをおすすめします。時期によっては、特別なキャンペーンや割引プランが提供されることもあります。お得な情報を見逃さないように、定期的にサイトをチェックするとよいでしょう。
所要時間の詳細
大屋根リング鑑賞クルーズの所要時間は、選択するプランによって異なります。それぞれの所要時間について、詳しくご説明します。
標準的なクルーズの所要時間は約60分です。この1時間の間に、ユニバーサルシティポートを出発し、大阪湾を気持ちよく航行しながら夢洲周辺を巡り、大屋根リングを海上から鑑賞して、再びユニバーサルシティポートに戻ってきます。約60分という時間は、景色を楽しみながらも飽きることなく、ちょうどよい長さといえます。
クルーズ船は、大屋根リングに近づくにつれて速度を落とし、乗客が写真を撮ったり、じっくりと眺めたりする時間を十分に確保してくれます。船上からは、リングの全体像を様々な角度から楽しむことができ、その壮大なスケールを実感することができます。
ドローンショー鑑賞付きのナイトクルーズは、より充実した内容となっており、所要時間は約1時間40分です。このプランでは、大屋根リングの鑑賞に加えて、夜空に舞うドローンショーも海上から楽しむことができます。ドローンショーは、大阪湾の夜景をバックに繰り広げられる光の演出が最大の見どころです。数百機のドローンが一糸乱れぬ動きで様々な形を描き出す様子は、まさに圧巻です。
集合時間は、出発時刻の15分前が目安となっています。遅刻すると乗船できない可能性がありますので、時間に余裕を持って乗船場所に到着するようにしましょう。特に初めて訪れる方や、土地勘のない方は、道に迷う可能性も考慮して、30分前には到着するように計画を立てることを強くおすすめします。余裕を持って到着すれば、出発前に周辺を散策したり、写真を撮ったりする時間も確保できます。
乗船場所とアクセス方法
大屋根リング鑑賞クルーズの乗船場所は、ユニバーサルシティポートです。この港は、大阪ベイエリアの観光拠点として便利な場所に位置しています。
ユニバーサルシティポートは、大阪市此花区桜島に位置しており、ホテルユニバーサルポートの裏手にあります。JRゆめ咲線のユニバーサルシティ駅から徒歩でアクセス可能な距離にあり、公共交通機関を利用する方にとっても非常に便利です。
電車でのアクセス方法をご説明します。ユニバーサルシティ駅は、JR大阪駅から直通で約15分、新大阪駅からは約25分の距離です。駅からユニバーサルシティポートまでは、徒歩で約10分から15分程度かかります。駅を出てユニバーサル・スタジオ・ジャパンの方向に向かい、ホテルユニバーサルポートの看板を目印に進むと到着します。道中には案内表示もありますので、初めての方でも迷わずに到着できるでしょう。
車でアクセスする場合は、阪神高速湾岸線のユニバーサルシティ出口を利用します。高速道路を降りてから、数分で乗船場所周辺に到着することができます。周辺には複数の駐車場がありますが、週末や祝日は混雑する可能性がありますので、できれば公共交通機関の利用をおすすめします。どうしても車で行く必要がある場合は、早めに到着して駐車場を確保するようにしましょう。
乗船場所には、案内スタッフが配置されている場合もありますが、予約確認メールに記載されている地図や案内を事前に確認しておくとスムーズです。スマートフォンに地図アプリをインストールしておき、目的地を設定しておくと安心です。
クルーズの見どころを徹底紹介
大屋根リング鑑賞クルーズの最大の見どころは、もちろん海上から眺める大屋根リングの雄大な姿です。会場内から見る大屋根リングとは異なり、海上からは全体を一望できる視点が得られます。この特別な視点こそが、クルーズ最大の魅力といえるでしょう。
クルーズ船は、大屋根リングのすぐ近くを通過するルートを取ります。約600メートルという巨大なリングの直径が、海上から見るとさらにドラマチックな印象を与えます。会場内からは決して得られない、この特別な視点がクルーズの大きな魅力となっています。海面からの高さも加わり、大屋根リングの立体的な構造美をより深く理解することができます。
また、大阪湾の景色も大きな楽しみの一つです。クルーズ中は、瀬戸内海の穏やかな海、大阪の街並み、遠くに見える山々など、多彩な景観を楽しむことができます。天気の良い日には、青空と海のコントラストが美しく、写真撮影にも最適です。海風を感じながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
夕暮れ時のトワイライトクルーズでは、夕陽に照らされた大屋根リングが、オレンジ色に輝く様子を見ることができます。この「マジックアワー」と呼ばれる時間帯は、特に美しい光景が広がり、多くの観光客に人気です。空の色が刻一刻と変化していく様子は、まさに自然が生み出す芸術作品です。
夜間のクルーズでは、ライトアップされた大屋根リングが幻想的な雰囲気を醸し出します。LEDによる照明は、時間帯によって「暮」「宵」「夜」という3段階の演出が行われ、それぞれ異なる表情を見せます。特に完全に暗くなった後は、構造物のディテールがより鮮明に浮かび上がり、昼間とは全く異なる美しさがあります。
水面に反射する光のリングは、まさに絶景です。穏やかな日には、大屋根リングの光が水面に映り込み、まるで2つのリングが存在するかのような幻想的な光景を生み出します。この鏡のような反射は、海上からのクルーズでしか見ることができない特別な景色です。
撮影を最大限楽しむためのコツ
大屋根リング鑑賞クルーズでの撮影を最大限楽しむために、いくつかのポイントをご紹介します。これらのコツを活用すれば、素晴らしい写真や動画を残すことができます。
まず、カメラやスマートフォンは必ず持参しましょう。船上からの撮影となるため、手ブレに注意が必要です。船は常に揺れていますので、通常の撮影よりも手ブレが起こりやすくなります。スマートフォンで撮影する場合は、両手でしっかりと持ち、可能であれば手すりなどに腕を固定すると安定した撮影ができます。
広角レンズがあると、大屋根リング全体を画面に収めやすくなります。スマートフォンの広角モードや、カメラの広角レンズを活用しましょう。特に近距離から撮影する際は、広角レンズが威力を発揮します。一方で、望遠レンズがあれば、リングの細部や構造の美しさをクローズアップして撮影することもできます。木材の質感や、接合部のディテールなど、近づいて見ないと分からない美しさを捉えることができます。
夜景撮影の場合は、カメラの設定に注意が必要です。ISO感度を上げすぎるとノイズが出やすくなるため、適度な設定を心がけましょう。スマートフォンのナイトモードを使用すると、自動的に最適な設定で撮影してくれます。最近のスマートフォンは夜景撮影の性能が非常に高いので、積極的に活用してください。
動画撮影もおすすめです。クルーズ船が進むにつれて変化する大屋根リングの角度や、周辺の景色を動画で記録することで、より臨場感のある思い出を残すことができます。写真では伝わらない、船の揺れや波の音、風の感触などを記録できるのが動画の魅力です。
撮影の際は、周囲の安全に配慮し、他の乗客の迷惑にならないように注意しましょう。特に、船の手すりから身を乗り出すなどの危険な行為は絶対に避けてください。安全第一で撮影を楽しみましょう。
周辺スポットと組み合わせて楽しむ
大屋根リング鑑賞クルーズの前後には、周辺の観光スポットも楽しむことができます。ベイエリアには魅力的な場所が数多くありますので、一日かけて満喫することをおすすめします。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、乗船場所から徒歩圏内にある人気のテーマパークです。クルーズと組み合わせて、一日中楽しむことができます。映画の世界を体験できるアトラクションや、季節ごとの特別イベントが人気を集めています。ハリー・ポッターエリアやマリオエリアなど、世界的に人気のあるエリアが充実しています。
海遊館は、世界最大級の水族館で、大阪を代表する観光スポットの一つです。ユニバーサルシティからは少し距離がありますが、大阪湾沿いのエリアを満喫するには最適な場所です。ジンベエザメが泳ぐ巨大な水槽は圧巻で、多くの来場者を魅了しています。大阪メトロ中央線の大阪港駅から徒歩約5分とアクセスも便利です。
天保山マーケットプレースや天保山大観覧車も、周辺の人気スポットです。大観覧車からは、大阪湾や大阪市内の景色を一望することができ、クルーズとは異なる視点から街を楽しむことができます。特に夜間のライトアップされた観覧車は、ベイエリアのランドマークとなっています。
レゴランド・ディスカバリー・センター大阪も天保山エリアにあり、家族連れに人気のスポットです。300万個以上のレゴブロックを使った体験型アトラクションが楽しめます。小さなお子様から大人まで、レゴの世界を満喫することができます。
大阪市内には、道頓堀、大阪城、通天閣など、数多くの観光名所があります。クルーズを楽しんだ後は、大阪の街を散策するのもおすすめです。道頓堀では大阪名物のたこ焼きやお好み焼きを味わい、大阪城では日本の歴史に触れ、通天閣周辺の新世界エリアでは昭和レトロな雰囲気を楽しむことができます。
予約時の重要な注意事項
大屋根リング鑑賞クルーズを予約する際には、いくつかの注意事項があります。これらを事前に確認しておくことで、当日スムーズにクルーズを楽しむことができます。
まず、予約は先着順となっており、人気の日時は早期に満席となる可能性があります。特に週末、祝日、夕暮れ時や夜景が美しい時間帯は非常に人気が高いため、できるだけ早めに予約することを強くおすすめします。希望の日時が決まったら、すぐに予約手続きを進めましょう。
天候による運航中止の可能性があります。悪天候の場合は安全のため運航が中止されることがあり、その場合は全額返金されます。当日の天候が心配な場合は、事前に運営会社に問い合わせることをおすすめします。運航状況は、ウェブサイトや電話で確認することができます。
集合時間に遅れると乗船できない場合があります。出発時刻の15分前には乗船場所に到着するようにしましょう。特に初めて訪れる方は、道に迷う可能性も考慮して、余裕を持って出発してください。公共交通機関の遅延なども考慮し、早めの行動を心がけましょう。
船酔いしやすい方は、酔い止め薬を事前に服用することをおすすめします。大阪湾は比較的穏やかですが、天候や海況によっては揺れることがあります。特に普段船に乗り慣れていない方は、念のため酔い止め薬を用意しておくと安心です。
服装については、季節に応じた適切な服装を心がけましょう。特に夜間のクルーズでは、海上は思いのほか冷えることがあるため、羽織るものを持参すると安心です。大阪のカジュアルクルーズは、ドレスコードも厳しくないため、初めてクルーズに乗船される方も安心して楽しむことができます。ただし、冬場は特に海風が冷たいため、暖かい服装を着用することをおすすめします。
持ち物については、基本的には通常の観光と同様です。カメラやスマートフォン、充電器は忘れずに持参しましょう。船上では意外と歩き回ることもあるため、履き慣れた靴を選ぶことも大切です。サングラスや帽子、日焼け止めも、日中のクルーズでは役立ちます。濡れたものを入れるビニール袋やエコバッグがあると便利です。
おすすめの時間帯は、目的によって異なります。昼間のクルーズは、青空と海のコントラストが美しく、大屋根リングの構造をはっきりと観察できます。夕暮れ時のトワイライトクルーズは、マジックアワーの幻想的な光景が楽しめます。夜間のクルーズは、ライトアップされた大屋根リングの幻想的な美しさを堪能できます。どの時間帯も魅力的ですので、可能であれば複数回訪れてそれぞれの表情を楽しむのも良いでしょう。
キャンセルポリシーについても、予約前に必ず確認しておきましょう。予約後のキャンセルには、キャンセル料が発生する場合があります。天候による運航中止の場合は全額返金されますが、個人的な理由でのキャンセルには規定の料金が発生しますので、予定をしっかり確認してから予約することをおすすめします。
大屋根リングの保存と未来
大阪・関西万博の閉幕後、大屋根リングの今後について多くの議論が行われてきました。この貴重な建築物をどのように残していくかは、大阪府民だけでなく、全国から関心を集めるテーマとなりました。
当初、大屋根リングは万博終了後に完全に解体・撤去される予定でした。しかし、万博期間中に大きな人気を集めたことや、ギネス世界記録に認定された文化的価値の高さから、一部を保存する方向で検討が進められました。多くの来場者や専門家から、この貴重な建築物を後世に残すべきだという声が上がりました。
複数の保存案が検討された結果、2025年6月には、大阪府と大阪市が、大屋根リングの北東部分約200メートルを、万博期間中と同様に「のぼれる形」で保存することを正式に決定しました。この決定により、閉幕後も大屋根リングの一部を体験できる機会が残ることになりました。
保存される約200メートルの区間は、夢洲駅からのアクセスが良好な北東部分です。この選択は、将来的な土地利用計画や、来場者の利便性を考慮したものとされています。一方で、南西部分の約350メートルを保存する案は、将来の土地造成計画との兼ね合いや、アクセスの問題から見送られました。
管理については、大阪市が市営公園として管理する方向で検討が進められています。民間事業者による活用は、コスト面での課題から困難と判断されたためです。市民が気軽に訪れることができる公共の施設として、長く親しまれることが期待されています。
改修費用については、観覧デッキとして整備する場合は約41億円、飲食施設などを備えた建物として整備する場合は約76億円と試算されています。これに加えて、10年間の維持管理費として約16億円が見込まれています。大きな費用はかかりますが、文化的価値を考えると、保存する価値は十分にあるといえるでしょう。
ただし、この決定に対しては賛否両論があります。7つの大学の関係者からは、わずか200メートルの保存では不十分であり、世界最大の木造建築物という貴重な記念建造物のほとんどを解体することは「文化的損失」であるとする緊急意見書が、大阪府市や経済団体、万博協会に提出されました。
大屋根リングの今後については、今後も議論が続く可能性がありますが、少なくとも一部が保存され、後世に残されることが決定したことは、多くの市民や万博来場者にとって喜ばしいニュースといえるでしょう。
大阪湾クルーズの魅力と伝統
大阪湾でのクルーズは、長い歴史を持つ大阪の観光の定番です。大阪は「水の都」として知られ、古くから水運が発達してきました。現代においても、水上からの観光は大阪の魅力を体験する重要な手段となっています。
大阪湾を航行する観光船の中でも特に有名なのが、コロンブスの旗艦「サンタマリア」を約2倍の大きさで復元した帆船型観光船「サンタマリア号」です。海遊館西はとばから出航し、約45分かけて大阪港を周遊するこのクルーズは、天保山大橋やハーバーブリッジ、晴れた日にはあべのハルカスまで見渡せる人気のコースとなっています。
サンタマリア号の料金は、デイクルーズが大人1,800円、小学生900円で、トワイライトクルーズは大人2,300円、小学生1,150円となっています。海遊館とのセット券も用意されており、お得に大阪ベイエリアを楽しむことができます。大阪メトロ中央線の大阪港駅1番出口から徒歩約10分とアクセスも良好です。
大屋根リング鑑賞クルーズは、このような大阪湾クルーズの伝統に新しい魅力を加えたものといえます。世界最大の木造建築物という唯一無二の景観を海上から楽しめる点で、他のクルーズとは一線を画した体験を提供しています。
最後に
大屋根リング鑑賞クルーズは、2025年大阪・関西万博のシンボルである世界最大の木造建築物を、海上から眺めることができる特別な体験です。会場内からとは全く異なる視点で、リング全体の雄大な姿を一望できるこのクルーズは、万博を訪れた方にとっても、訪れなかった方にとっても、貴重な機会となるでしょう。
予約は専用のウェブサイトから簡単に行うことができ、料金は標準クルーズで3,300円、ドローンショー付きナイトクルーズで6,600円となっています。所要時間は、標準クルーズが約60分、ナイトクルーズが約1時間40分です。どちらのプランも、大阪湾の美しい景色を楽しみながら、大屋根リングの魅力を存分に堪能することができます。
乗船場所はユニバーサルシティポートで、JRユニバーサルシティ駅から徒歩でアクセス可能です。周辺にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンや海遊館など、人気の観光スポットも多く、一日かけて大阪ベイエリアを満喫することができます。
クルーズでは、会場内からは見ることのできない角度から大屋根リング全体を一望でき、特に夕暮れ時や夜間のライトアップされた姿は格別の美しさです。昼間の青空の下で見る大屋根リングも、夜の幻想的な光に包まれた大屋根リングも、それぞれに異なる魅力があります。
大阪・関西万博の貴重な記念として、ぜひこの特別なクルーズ体験を楽しんでください。海上から眺める大屋根リングの雄大な姿は、きっと忘れられない思い出となるでしょう。世界最大の木造建築物を海上から鑑賞できる機会は非常に貴重です。人気の日時は早期に満席となる可能性がありますので、ぜひ早めの予約をおすすめします。大阪湾の潮風を感じながら、日本の伝統技術と現代工法が融合した傑作を、特別な視点から体験してみてはいかがでしょうか。

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