「カウンセリングを受けてみたけど、何も変わらなかった」「話を聞いてもらうだけで意味があるの?」と疑問に思ったことはありませんか?近年、メンタルヘルスケアへの関心が高まり、カウンセリングを受ける人が増えていますが、中には「効果がない」と感じる方もいます。
実は、カウンセリングの効果は人によって異なり、その受け方や心構えによって大きく変わることがあります。この記事では、カウンセリングが意味ないと感じる理由や、より効果的に受けるための方法について専門家の視点から解説します。
カウンセリングは単なる「話を聞いてもらう場」ではなく、自分自身の「気づき」を促し、生きやすさを見つけるためのプロセスです。その効果を最大限に引き出すためのヒントをお伝えしていきます。

カウンセリングが意味ないと感じる人の特徴とは?
カウンセリングを「意味がない」と感じてしまう方には、いくつかの共通した特徴があります。まず挙げられるのが、すぐに効果や結果を求める傾向です。カウンセリングは通常、一回で劇的な変化が起こるものではありません。心の問題は時間をかけて少しずつ変化していくものであり、即効性を期待すると失望してしまうことがあります。
また、カウンセラーへの信頼感が不足している場合も効果を感じにくくなります。カウンセリングの核心は「信頼関係」にあり、カウンセラーを信頼できていないと、本当の悩みや気持ちを話すことができず、表面的な会話で終わってしまいます。
さらに、受け身の姿勢でカウンセリングに臨んでいる方も効果を感じにくいでしょう。「カウンセラーが私の問題を解決してくれるはず」という期待は、しばしば失望につながります。カウンセリングは協働作業であり、自ら積極的に取り組む姿勢が重要です。
「カウンセリングは魔法ではありません。自分の気持ちや考え方を変えていくプロセスであり、その変化を支援するのがカウンセラーの役割です」と臨床心理士の酒井祥子氏は説明しています。
過去にカウンセリングで失敗した経験がある方も、「今回も意味がない」と最初から諦めてしまうことがあります。しかし、カウンセラーによってアプローチは異なり、自分に合った相手と出会うことで効果を実感できることも少なくありません。
なぜカウンセリングで効果を感じられない場合があるのか?
カウンセリングで効果を感じられない理由はさまざまですが、最も多いのがカウンセリングに対する誤解です。多くの方が「カウンセラーからアドバイスをもらえるもの」と考えていますが、実際のカウンセリングは対話を通じて自分自身の「気づき」を促すプロセスです。
心理カウンセラーの丸田英世氏によれば、「カウンセリングの基本は傾聴です。カウンセラーはアドバイスよりも、相談者が自ら解決策を見つけられるよう支援します」。この認識のギャップが、効果を感じられない原因の一つとなっています。
また、カウンセリングの目的が明確でないことも影響します。「なんとなく気分が晴れないから」といった漠然とした理由では、目標や方向性が定まらず、何が変わったのかを実感しにくくなります。
さらに重要なのが、カウンセラーとの相性です。心を開いて話せる相手かどうかは、カウンセリングの効果に大きく影響します。「カウンセラーに言いたいことが言えない」という状況では、本来の効果を得ることは難しいでしょう。
「生まれつきの気質は変えられません。また、職場の上司や親の性格も変えることはできません。カウンセリングで変えられるのは、自分の考え方や感じ方、対処法です」と専門家は指摘します。カウンセリングで何が変わり、何が変わらないかを理解することも大切です。
カウンセラーとの相性が合わないときはどうすればいい?
カウンセリングでは、カウンセラーとの相性が非常に重要です。相性が合わないと感じたとき、多くの方は黙ってカウンセリングを辞めてしまいますが、実はそれが問題解決の機会を逃してしまうことになります。
まず試してほしいのは、カウンセラーに正直に伝えることです。「カウンセリングの効果を感じられない」「話しにくさがある」と伝えることは難しいかもしれませんが、それ自体が重要な治療的意味を持ちます。丸田氏は「言いにくいことを伝えることで、様々な気づきが得られます」と説明します。
実は、カウンセリングで「効果を感じない」と思うことさえ、自分の問題と向き合うきっかけになります。日常生活でも「言いたいことが言えない」パターンがあるなら、それこそがカウンセリングで扱うべきテーマかもしれません。
それでも改善しない場合は、別のカウンセラーに変更することも選択肢です。ただし、変更する前に現在のカウンセラーとの対話を試みることをお勧めします。「カウンセラーを変えても、同じような問題が繰り返される場合は、自分自身のパターンを見直すチャンスかもしれません」と専門家は指摘します。
カウンセラーを選ぶ際は、資格や経験だけでなく、相談初期の段階で話しやすさや信頼感を重視することも大切です。初回のカウンセリングでは、相性を確かめる機会と捉え、自分に合うかどうかを意識してみましょう。
カウンセリングで変わることと変わらないことの違いは?
カウンセリングに対する現実的な期待を持つために、何が変わり得るのか、何が変わらないのかを理解することが重要です。
変わらないものとしてまず挙げられるのは、「生まれつきの気質」です。遺伝的要因が関わる性格の根本的な部分は変えることができません。また、「周囲の人の性格や態度」も変えることはできません。親や上司が変わることを期待してカウンセリングを受けても、失望する可能性が高いでしょう。
一方、変わり得るものには、「自分の考え方や捉え方」があります。同じ状況でも、見方を変えることで感じ方や反応が変わることがあります。「生きやすくなるための工夫」も身につけることができます。
特に重要なのが「気づき」です。カウンセリングを通じて、自分の思考パターンや行動の癖に気づくことができます。「変わる」というのは、多くの場合「気づく」ということなのです。
「習慣やパターンは自分のよりどころとなる大切な存在ですが、年齢や発達段階、環境によっては、厄介な存在となる場合もあります。当たり前になっている習慣やパターンの存在に気づくきっかけのひとつとして、カウンセラーとの対話が役に立ちます」と酒井氏は述べています。
また、深刻な症状がある場合は、カウンセリングと医療的アプローチを組み合わせることで、より効果的な改善が期待できます。心身のバランスを整えるために薬の力を借りることも、時には必要な選択肢となります。
どうすればカウンセリングを効果的に受けられるのか?
カウンセリングをより効果的に受けるためには、いくつかの心構えとアプローチが役立ちます。
まず、明確な目的意識を持つことが重要です。「どうなりたいのか」「何を解決したいのか」を考え、カウンセラーと共有しましょう。漠然とした不満や悩みではなく、具体的な目標があると、変化を実感しやすくなります。
次に、自ら積極的に取り組む姿勢を持ちましょう。カウンセリングは「してもらうもの」ではなく、自分自身が主体的に参加するプロセスです。カウンセラーはガイド役であり、最終的に行動するのは自分自身です。
心を開いて正直に話すことも効果を高めます。信頼関係の構築には時間がかかることもありますが、できる範囲で素直な気持ちを伝えることが大切です。「カウンセラーは相談者の話を否定することなく、ありのまま受け止め共感的に関わることが大事」と丸田氏は説明します。
また、継続することも重要です。心の変化は時間をかけて少しずつ起こります。一度や二度のセッションでは効果を感じにくいことも多いため、粘り強く続けることをお勧めします。
カウンセリングで扱ったテーマを日常生活で実践することも効果を高めます。セッションで気づいたことや学んだことを、実際の生活の中で試してみることで、変化を実感しやすくなります。
最後に、効果が感じられない場合は、率直にカウンセラーに伝える勇気を持ちましょう。「効果を感じない」「こういう変化を求めている」と伝えることで、アプローチを見直すきっかけになります。
カウンセリングは魔法ではなく、自分自身の変化を支援するプロセスです。主体性を持ち、根気強く取り組むことで、少しずつですが確かな変化を実感できるようになるでしょう。
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