【2025年最新】介護施設と老人ホームの違いを徹底解説!費用相場から選び方まで完全ガイド

生活

近年、高齢化社会の進展に伴い、「介護施設」や「老人ホーム」という言葉を耳にする機会が増えています。しかし、これらの用語は混同されがちで、実際にはそれぞれ異なる意味を持っています。家族の介護について考える際、適切な施設選びは非常に重要な決断となります。「老人ホーム」は高齢者が生活するあらゆる施設の総称であり、その中に介護が必要な方向けの「介護施設」が含まれるという関係性があります。施設によって提供されるサービス内容、入居条件、費用体系が大きく異なるため、正しい知識を持って選択することが求められます。本記事では、介護施設と老人ホームの基本的な違いから、具体的な施設の種類、費用相場、選び方のポイントまで、わかりやすく解説していきます。

Q1. 介護施設と老人ホームは何が違うの?基本的な定義を教えて

老人ホーム介護施設は、しばしば同じ意味で使われがちですが、厳密には異なる概念です。

老人ホームとは、60歳あるいは65歳以上の高齢者が入居して生活できる、あらゆる施設の総称を指します。広辞苑によると「老人が入所して日常生活や健康面のサービスを受けながら生活する専用施設」と定義され、老人福祉法に基づく養護老人ホームや特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、民間の有料老人ホーム、介護保険法上のグループホームなどが含まれます。入居対象者は自立した方から要介護者まで幅広いのが特徴で、施設内で介護サービスを受けられる場合もあれば、外部の介護サービスを利用して生活する場合もあります。

一方、介護施設とは、その名の通り介護の必要な方が利用する施設を指します。主に65歳以上が対象ですが、特定の疾病により介護保険を利用している40歳以上の人も利用が可能です。例えば、通所して介護を受ける「デイサービス」も介護施設に該当します。

つまり、「老人ホーム」という大きな枠組みの中に、介護サービスを提供する「介護施設」が含まれるという関係性になります。「特別養護老人ホーム」や「介護付き有料老人ホーム」のように、介護を受けながら生活する施設は、老人ホームでもあり、介護施設でもあると言えます。しかし、健康型有料老人ホームのように介護を必要としない方向けの老人ホームは「介護施設」とは言えません。

この違いを理解することで、自分や家族のニーズに合った適切な施設選びができるようになります。

Q2. 公的施設と民間施設の特徴や費用の違いは?どちらを選ぶべき?

老人ホームは、運営主体によって公的施設民間施設に大きく分けられ、それぞれに異なる特徴があります。

公的施設の特徴

公的施設は、国や地方公共団体、社会福祉法人などが運営しており、介護度が重い方や経済的に困窮している方への支援に重点を置いています。主な施設として、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、ケアハウス、養護老人ホームがあります。

費用面では大きなメリットがあり、特養の場合は入居一時金が不要で、月額費用は5万~15万円程度と比較的安価です。食費と居住費については、所得や資産に応じて自己負担限度額が定められており、低所得者には大幅な軽減措置があります。

ただし、入居条件が厳しく、特養では原則として要介護3~5の認定が必要で、入居希望者が多いため入居待ちが長期間になることがあります。

民間施設の特徴

民間施設は、民間企業や医療法人が運営しており、サービス内容や設備が多種多様で、より快適な生活環境が提供されることが多いです。介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、シニア向け分譲マンションなどがあります。

費用は高額になる傾向がありますが、介護付き有料老人ホームの場合、入居一時金は0円~数千万円、月額費用は15万~40万円程度と幅広い選択肢があります。選択肢が非常に広く、急ぎの入居にも柔軟に対応しやすいというメリットもあります。

どちらを選ぶべきか

選択の判断基準として、経済状況、介護度、入居の緊急性、求めるサービス内容を考慮する必要があります。経済的負担を抑えたい場合や重度の介護が必要な場合は公的施設を、サービスの充実や設備の快適性を重視する場合、または急ぎの入居が必要な場合は民間施設を検討することをお勧めします。

Q3. 要介護度や身体状況に応じた施設の選び方のポイントは?

施設選びでは、入居者の現在の身体状況と将来的な介護ニーズを正確に把握することが重要です。

自立~軽度の要介護の方

要支援1~要介護2程度の方には、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、健康型有料老人ホーム、ケアハウス(一般型)などが適しています。これらの施設では、生活支援や見守りサービスを受けながら、比較的自由度の高い生活を送ることができます。

特にサ高住は、バリアフリー仕様の賃貸住宅で、安否確認や生活相談サービスが義務付けられており、必要に応じて外部の介護サービスを利用できます。月額費用は一般型で5万~25万円程度と幅広い選択肢があります。

中重度の要介護の方

要介護3~5の方には、特別養護老人ホーム(特養)、介護付き有料老人ホーム、グループホーム(認知症の方)などが適しています。これらの施設では、24時間体制での介護サービスが提供され、医療ケアも充実しています。

特養は費用を抑えたい場合の第一選択となりますが、入居待ちが長期間になる可能性があります。介護付き有料老人ホームは、料金が介護度別の定額制なので、介護度が重くなっても月額費用の見通しが立てやすいメリットがあります。

医療ニーズが高い方

経管栄養、たんの吸引、がんの疼痛管理など、継続的な医療・介護を必要とする方には、介護医療院が最適です。医師、看護師、薬剤師など医療の専門スタッフが配置され、充実した医療ケアが受けられます。月額費用は8万~20万円程度で、看取りやターミナルケアにも対応しています。

認知症の方

認知症の診断を受けた方には、グループホームが専門的なケアを提供します。ワンユニット9人以下の少人数で共同生活を行い、家庭的な雰囲気の中で認知症の進行を緩やかにし、自立支援を促すことを目的としています。入居条件は要支援2~要介護5で、月額費用は12万~30万円程度です。

選び方のポイント

  1. 現在の要介護度と今後の見込みを正確に把握する
  2. 必要な医療ケアの種類を明確にする
  3. 認知症の有無や程度を考慮する
  4. 本人の性格や生活スタイルに合った環境を選ぶ
  5. 看取りへの対応方針を確認する

施設によって対応できる介護度や医療ニーズが異なるため、必ず事前に確認し、可能であれば体験入居を利用することをお勧めします。

Q4. 老人ホーム・介護施設の入居にかかる費用相場と支払い方法について

老人ホーム・介護施設の費用は、入居時費用(初期費用)月額費用の2つに大きく分けられます。

入居時費用(初期費用)

契約時に支払う費用で、入居一時金や保証金と呼ばれます。家賃の前払い金と、退去時の修繕費が含まれており、施設によって大きく異なります。

  • 公的施設:基本的に0円(特養、老健、介護医療院など)
  • 民間施設0円~数千万円(有料老人ホーム、サ高住など)
  • 分譲マンション型1千万円~1億円以上

近年は初期費用がかからない「月払い方式」を採用する施設も増えており、2014年度の調査では有料老人ホームの15.9%が初期費用を設定していません。

月額費用の内訳

月額費用には以下の項目が含まれます:

  1. 居住費:いわゆる「家賃」(10万円~100万円以上と大きく異なる)
  2. 食費:食材費用、厨房維持管理費など
  3. 施設介護サービス自己負担額:介護保険適用で1~3割負担
  4. サービス加算:設備や人員体制の強化に応じた加算
  5. 管理費:光熱水費など
  6. 医療費:薬代、入院費、往診費など(必要な方のみ)

施設別費用相場

公的施設

  • 特別養護老人ホーム:月額5万~15万円
  • 介護老人保健施設:月額8万~20万円
  • 介護医療院:月額8万~20万円
  • ケアハウス:入居金0~30万円、月額6万~20万円

民間施設

  • 介護付き有料老人ホーム:入居金0円~数千万円、月額15万~40万円
  • 住宅型有料老人ホーム:入居金0円~数千万円、月額12万~40万円
  • サ高住:入居金0~100万円、月額5万~40万円
  • グループホーム:入居金0~100万円、月額12万~30万円

支払い方法の種類

  1. 一時金方式(全額前払い方式):終身にわたる家賃などを一括前払い
  2. 一部前払い・一部月払い方式:家賃等の一部を前払いし、残りは月払い
  3. 月払い方式:前払いなしで毎月家賃やサービス費用を支払い

費用を抑える方法

  • 医療費控除:介護保険施設では施設サービス費が控除対象
  • 近隣県での施設探し:地価の影響で費用が異なる
  • 相場より安い施設の積極的な検索
  • 所得に応じた軽減措置の活用:公的施設では低所得者向けの負担軽減あり

年金受給者の平均月額は国民年金で56,000円、厚生年金で146,000円のため、月額10万円程度の施設であれば年金での生活も可能です。

Q5. 施設選びで失敗しないための相談窓口と入居までの流れは?

適切な施設選びには専門的な知識が必要なため、信頼できる相談窓口の活用が重要です。

主な相談窓口

公的機関

  • 地域包括支援センター:市町村に設置が義務付けられた総合相談窓口で、介護、医療、保健など多角的に高齢者をサポート
  • 高齢者総合相談センター(シルバー110番):各都道府県に設置され、介護費用などの悩みを気軽に相談可能

民間の紹介センター

  • インターネットポータルサイトの相談員が、施設情報収集、比較検討のサポート、見学予約の調整などを実施
  • 公的施設に比べて空室が見つかりやすく、急ぎの入居検討も柔軟に対応
  • LINEでの相談やオンライン見学に対応しているところも存在

その他

  • 担当のケアマネジャー:本人の状況を把握しているため、希望に合った施設を探しやすい
  • 老人ホームへの直接問い合わせ:施設の相談員に直接相談

相談時に伝えるべき情報

  1. 入居者の身体状態:年齢、要介護度、認知症の有無、必要な医療ケア、服用薬の情報
  2. 予算の上限:入居一時金と月額費用の上限額(少し余裕を持たせた金額)
  3. 検討可能な地域:具体的な地域範囲、交通手段の考慮
  4. 希望する入居期間:リハビリ目的、状態安定まで、終身など
  5. 看取りへの希望:ターミナルケアの方針

入居までの流れ(通常1~2ヶ月程度)

  1. 情報収集・見学
  • ポータルサイトや資料で情報確認
  • 気になる施設への見学(必須)
  • スタッフの雰囲気、建物、生活環境の直接確認
  1. 入居申込
  • 入居申込書、診療情報提供書、健康保険証、介護保険証の写しなどを提出
  1. 面談
  • 生活相談員による面談で要介護状態、健康状態、経済状況、家族状況を確認
  1. 体験入居
  • 3日~1週間程度のお試し入居(任意だが強く推奨)
  • 食事、サービス提供の質、環境、スタッフ対応の最終チェック
  1. 入居契約
  • 身元引受人の選定
  • 戸籍謄本、住民票、印鑑証明書、健康診断書、診療情報提供書、所得証明書などを提出
  • 重要事項説明書の精読と質問
  1. 入居金支払い・引越し・入居
  • 入居一時金の支払い(該当する場合)
  • 必要な家具の準備、引越し

失敗しないためのポイント

  • 時間に余裕を持って施設探しを開始する
  • 必ず複数の施設を見学し、比較検討する
  • 体験入居を積極的に活用する
  • 重要事項説明書を精読し、不明点は必ず質問する
  • 本人の「どのような生活を送りたいか」という希望を明確にする
  • 入居後の生活を意識しながら相談する

施設選びは入居がゴールではなく、入居後の生活の質を左右する重要な決断です。専門家のサポートを受けながら、納得のいく選択をすることが大切です。

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