りらいぶが自主回収を発表したリライブシャツαの理由と原因、その経緯を徹底解説

社会

2025年11月5日、リカバリーウェア業界に大きな衝撃が走りました。宮城県仙台市に本社を置く株式会社りらいぶが、一般医療機器として販売していた「リライブシャツα」と「リライブスパッツα」の約48万着を自主回収すると発表したのです。この発表は、厚生労働省が定める医療機器の定義変更に伴うものであり、製品の安全性に問題があったわけではありません。しかし、年商50億円超にまで成長し、累計200万枚以上の販売実績を誇る同社にとって、この自主回収は大きな転換点となりました。テレビ番組「令和の虎」で注目を集め、わずか数年で驚異的な成長を遂げた企業が直面した試練とは何だったのでしょうか。今回の自主回収の理由、原因、そして経緯について、詳しく解説していきます。消費者の皆様にとっても、健康関連製品を選ぶ際の重要な判断材料となる情報が含まれていますので、ぜひ最後までお読みください。

自主回収の発表内容と対象製品

株式会社りらいぶは2025年11月5日、同社が一般医療機器として販売していた製品について、大規模な自主回収を実施すると公式発表しました。この発表は、多くのリライブシャツユーザーや業界関係者に驚きをもって受け止められました。

自主回収の対象となったのは、リライブシャツαリライブスパッツαの2製品です。リライブシャツαは届出番号04B3X10013000001として、リライブスパッツαは届出番号04B3X10013000002として、それぞれ一般医療機器の認定を受けていました。対象となるのは、2024年2月以降に販売されたすべての製品で、その数は合計で約48万着に上ります。

重要な点として、製品名に「α」が付いていない従来のリライブウェア製品や、その他のリライブ製品は今回の自主回収の対象外となっています。つまり、通常版のリライブシャツ、リライブシャツプロ、リライブインナー、コットン版などは引き続き販売が継続されており、購入したユーザーも安心して使用を続けることができます。

この自主回収は、厚生労働省が定める「家庭用遠赤外線血行促進用衣」の定義に合致しないことが確認されたためであり、製品自体の安全性には全く問題がありません。これまでに健康被害は一切報告されておらず、製品の使用が健康被害の原因となる恐れも考えられないと同社は明言しています。

自主回収に至った理由と原因の詳細

今回の自主回収に至った根本的な理由は、2025年8月18日付で厚生労働省が発行した質疑応答集の改訂によるものです。この改訂により、「家庭用遠赤外線血行促進用衣」の定義が大幅に明確化されました。

質疑応答集に新たに追加されたQ6では、極めて重要な基準が示されました。それは、「衣類の一部分のみにおいて遠赤外線を輻射する機能を有する製品や、当該機能を有するプリントやシール等を部分的に施した製品」は、医療機器としての定義に該当しないという内容です。つまり、遠赤外線輻射機能が衣類全体に及んでいることが医療機器としての要件となったのです。

りらいぶの「リライブシャツα」「リライブスパッツα」は、遠赤外線を輻射する範囲がプリント加工部分に限定されていました。同社の独自技術である「間接テーピング®」は、シャツの内側に特殊なテープを主要な筋肉のポイントや経絡に配置するというもので、この技術は特許も取得しています。しかし、この方式では遠赤外線輻射機能が衣類全体に及んでいないため、2025年8月の新しい定義には合致しないことが判明しました。

同社は自主回収の原因について、「『家庭用遠赤外線血行促進用衣の一般的名称』の定義に対する認識が不足しており、2025年8月の事務連絡をもって輻射範囲の定義に対する認識をあらためるに至りました」と率直に説明しています。これは、当初の基準では許容されていた製品設計が、基準の明確化により要件を満たさなくなったという、企業にとっては予期せぬ事態でした。

医療機器認定の経緯と規制の変遷

リライブシャツαとリライブスパッツαが医療機器として認定を受けるまでには、日本の医療機器規制の大きな変遷がありました。この背景を理解することで、今回の自主回収がなぜ起こったのかがより明確になります。

2022年10月、日本では身体の熱を伝導・吸収し、遠赤外線を輻射することで血行改善や疲労回復を目的とする衣類を、クラスI一般医療機器として分類する規制改正が行われました。これは、リカバリーウェア市場の成長に伴い、効果を適切に担保するための措置でした。

この新しい医療機器カテゴリー「家庭用遠赤外線血行促進用衣」が新設され、一般社団法人日本医療機器工業会が自主基準を策定しました。この自主基準は厚生労働省によって審査・承認されており、一定の信頼性を持つものでした。企業は2023年4月から医薬品医療機器総合機構、通称PMDAへの届出を開始し、業界基準を満たす製品は「リカバリー効果」や「血行促進効果」を訴求できるようになりました。

医療機器としての要件は明確に定められていました。製品は血行促進効果を実証すること、使用目的が「疲労回復」または「筋肉のこり症状の改善」であること、一定レベルの遠赤外線を放射すること、そして衣類の形状が長袖シャツ、長ズボン、半袖シャツ、または短パンに限定されることという基準を満たす必要がありました。

評価基準には、赤外線放射特性と血流変化が含まれ、赤外線放射特性はFTIR分光法を用いて5から20マイクロメートルの波長範囲で測定されます。りらいぶの製品もこれらの基準を満たしているとして認定を受けていました。

しかし、2025年8月18日の質疑応答集の改訂により、「遠赤外線を輻射する範囲」についての解釈が厳格化されました。それまで曖昧だった基準が明確になり、部分的な加工では医療機器としての要件を満たさないという新たな基準が示されたのです。

りらいぶの歴史と驚異的な成長ストーリー

自主回収の背景を理解するためには、株式会社りらいぶがどのような企業で、どのように成長してきたのかを知ることが重要です。

株式会社りらいぶの創業者である佐々木貴史社長は、1961年7月6日、福島県郡山市で生まれました。22歳でシステム会社に就職しましたが、数年で体を壊し退職を余儀なくされました。その後、自営でビジネスをしながら身体が元気になる方法を探し求める日々を送りました。

1999年からゼロから仕事を立ち上げる起業家として活動を開始し、相続支援、営業コンサルタント、飲食店舗経営、建築検査、貸事務所、浄水器の輸入販売など、実に多様な分野のビジネスを立ち上げました。この多様な経験が、後のリライブシャツ事業の基盤となります。

55歳の時、佐々木社長は志を立てることの大切さを学び、「誰もが元気になる方法につながること」を最後の仕事にしようと決意しました。学んでいた武術でテーピングによりパフォーマンスをサポートすることを知り、これがリライブウェア開発のきっかけとなりました。

しかし、リライブシャツ事業の始まりは決して順風満帆ではありませんでした。開発の直接的なきっかけは、介護の仕事をしていた妹が虚弱体質のため身体的負担を感じて3年ほどで辞めざるを得なくなったという家族の経験でした。この経験から、佐々木社長は身体機能を改善するウェアの開発を決意しました。

2008年8月に株式会社リライブを設立し、機能性補助食品の販売事業を開始しました。その後、2017年10月に株式会社身体機能研究所を設立し、リライブシャツの開発・製造に本格的に取り組み始めました。しかし、機能には絶対的な自信を持っていたにもかかわらず、最初の3年間はほとんど売れないという苦しい時期が続きました。

2021年2月、八方ふさがりとなった佐々木社長は、YouTube番組「令和の虎」に出演しました。この番組は、起業家がビジネスプランをプレゼンテーションして出資を募る人気番組です。番組内で三崎優太氏、通称「青汁王子」を含め、5人の出資者から計500万円の投資を勝ち取りました。

この「令和の虎」への出演が、劇的な転機となりました。番組終了直後から注文が殺到し、わずか1週間で8,000着の注文を受けるという大反響となったのです。番組での露出を機に認知度が急上昇し、年商700万円だった会社が、2023年12月末には年商50億円超を突破するという驚異的な成長を遂げました。これは実に700倍以上の成長です。

2023年1月、リライブシャツ製造元とリライブシャツ卸元が合併し、社名を「株式会社りらいぶ」に変更しました。この統合により、開発から販売までの一貫体制が確立されました。佐々木社長は自身の経験をまとめた書籍「地方の小さな会社のリライブシャツがなぜ100億円も売れたのか」も出版し、その成功ストーリーは多くの起業家に勇気を与えています。

リライブシャツの技術と科学的根拠

リライブシャツがなぜこれほどまでに多くの支持を集めたのか、その技術的な背景を見ていきましょう。

リライブシャツは、トルマリンとテラヘルツ鉱石を織り込んだ生地を使用しています。トルマリンは遠赤外線を強く放射する性質を持つ天然鉱石で、これらの遠赤外線が筋肉に作用することで血行を促進し、筋肉のコリをほぐす効果が期待されています。

さらに、リライブシャツの最大の特徴として間接テーピング®という独自技術があります。これは、シャツの内側に特殊なテープを主要な筋肉のポイントや経絡、いわゆるツボに配置するというもので、この技術は特許も取得しています。テーピングによりパフォーマンスをサポートするという考え方は、佐々木社長が武術を学んでいた際に得た知見から生まれました。

りらいぶは、リライブシャツの効果について複数の検証試験を実施しています。検証試験によると、リライブシャツ着用時には血流速度が約49.8%増加したという結果が得られました。また、TFCラボによる二重盲検比較試験では、リライブシャツを着用することで首、肩、腰、膝の可動域が拡大し、筋肉の硬さが軽減されることが確認されています。

二重盲検比較試験とは、被験者にも評価者にも試験内容を知らせずに行う試験方法で、プラセボ効果を排除した科学的に信頼性の高い評価方法です。この試験で効果が確認されたことは、リライブシャツの機能が単なる気のせいではないことを示唆しています。

製品ラインナップと販売戦略

りらいぶは、リライブシャツα以外にも多様な製品ラインナップを展開しています。この幅広い製品展開が、年商50億円超という規模を支える基盤となっていました。

通常版のリライブシャツは、価格が8,800円で、素材はポリエステル、カラーはホワイトとブラックの2色展開、ネックタイプはVネックと丸ネックから選べ、サイズはSから3Lまで幅広く対応しています。

今回自主回収の対象となったリライブシャツαは、価格が11,000円で、通常版と比べて使用している鉱石量が多く、一般医療機器として届出済みの製品でした。コリ改善効果を明確に訴求できることが、通常版との大きな違いでした。

上位モデルとして、リライブシャツプロとマイナス10度冷感版があります。価格は13,200円で、鉱石を2倍配合し、ポリエステル100パーセントの冷感生地を使用しています。夏場でも快適に着用できる設計となっており、スポーツ愛好家から高い支持を得ています。

リライブインナーは価格が7,700円で、メンズ、レディースともに展開し、ノースリーブ、半袖、2分袖のバリエーションがあります。日常使いからスポーツシーンまで、幅広い用途に対応できる製品ラインです。

コットン版は価格が9,900円で、綿100パーセント素材を使用した製品です。ポリエステル素材に抵抗がある方や、肌触りを重視する購入者向けの製品として好評を博しています。

そして、今回自主回収の対象となったリライブスパッツαも、一般医療機器として届出済みの製品でした。

りらいぶは、多様な販売チャネルを通じて製品を販売しています。オンライン販売では、公式オンラインショップにて、配送料無料、30日間の返品保証、6カ月の商品保証、1回までのサイズ交換サービスなどの特典を提供しています。また、Amazon公式ショップ、楽天市場公式ショップ、Yahoo!ショッピングでも購入が可能です。

実店舗販売も充実しており、直営店として宮城県仙台市に「リライブハウス」を展開しています。さらに、正規販売代理店として、つるやゴルフ、スーパースポーツゼビオ、ドン・キホーテ、ヨドバシカメラ、ビックカメラなどの大手小売店でも取り扱いがあります。この広範な販売網が、年商50億円超という急成長を支える基盤となっていました。

販売実績と市場での位置づけ

りらいぶの公式サイトでは「累計300万枚突破」と表示されていますが、2024年11月のプレスリリースでは、2019年7月1日から2024年10月31日までに累計200万枚以上を販売したと発表されています。

2024年4月時点での累計販売数は92万着に達し、同年度の売上目標は70億円に設定されていました。2023年12月末時点では年商50億円を超えており、「令和の虎」出演前の年商700万円から実に700倍以上の成長を遂げています。

また、2024年には累計200万枚販売を達成し、リライブウェアは衣類として初めて日本介護協会認定マークを取得しました。この認定は、介護現場での有用性が認められたことを示しており、身体的負担の大きい職業に従事する方々から高い支持を得ていることの証明です。

リカバリーウェア市場では、複数のブランドが競合しています。主要なブランドとして、BAKUNE、セリアント、VENEX、そしてリライブシャツが挙げられます。その他の競合ブランドには、SIXPADリカバリーウェア、コラントッテのRESNO、AOKIなどがあります。

市場分析によると、各ブランドは異なる年齢層のターゲットを持っています。リライブシャツは特に60代からの関心が高く、VENEXは40代以上、BAKUNEは30から60代と幅広い年齢層にアピールしています。この多様な競合環境の中で、りらいぶは「令和の虎」での露出や医療機器認定、そして佐々木社長の積極的な情報発信により、独自のポジションを確立していました。

自主回収の対応と補償内容

りらいぶは今回の自主回収について、極めて誠実な対応を示しています。

返送方法としては、オンライン自主回収受付フォームが24時間対応で用意されています。電話での問い合わせは混雑しているため、オンラインフォームの利用が強く推奨されています。実際、2025年11月7日午後6時時点で、電話での問い合わせは非常につながりにくい状態となっており、メールでの返信も3から4日を要する状況でした。

補償内容は非常に手厚いものとなっています。返送商品1点につき、りらいぶ公式ECサイトで利用できる15,000円分の商品引換クーポン、または購入金額の全額返金のいずれかを選択できます。

この補償額は、多くの場合、実際の購入価格を上回る金額となっています。リライブシャツαの販売価格は11,000円でしたので、15,000円分のクーポンを選択すれば、購入価格以上の価値が返ってくることになります。この手厚い補償は、同社の誠実な対応姿勢が表れていると言えるでしょう。

消費者庁のリコール情報サイトにも、今回の自主回収が登録されており、第三者による検証が可能な形で公開されています。この透明性のある対応は、企業の信頼性を維持する上で重要な要素です。

厚生労働省の医療機器自主回収、いわゆるリコール報告制度では、医療機器の製造販売業者等が自主回収を行う場合、都道府県知事等への報告が義務付けられています。りらいぶも適切にこの手続きを行っており、法令遵守の姿勢を示しています。

ユーザーの声と製品の評価

リライブシャツについては、多数のユーザーレビューが存在し、その評価は個人によって大きく分かれています。

良い評価として多く見られるのは、着用後すぐに柔軟性が向上し、前屈が約10センチメートル改善したという声、ゴルフなどのスポーツ時に体が軽く感じられたという声、着用数分で血流改善による温かさを感じたという声、初日から快適な睡眠サポートを実感し、翌朝の体の軽さを感じたという声、そして生地の肌触りが良く、通気性と速乾性に優れているという声です。

一方、否定的な口コミも存在します。数日着用しても何も変化を感じなかったという声、肩こり改善を期待して購入したが効果がなかったという声、サイズ感が分かりにくいという声、返品手続きが面倒という声、そして効果を感じられないのに価格が高いという声です。

Yahoo!知恵袋の調査では、11件の回答のうち6人が効果を感じたと回答しており、約55パーセントの肯定率でした。効果なしと回答したのは2人のみでした。効果の個人差については、姿勢や筋肉の使い方、身体の状態によって反応が異なることが指摘されています。全ての人に同じ効果があるわけではなく、個人の身体状況によって効果の感じ方が大きく異なるようです。

楽天市場のレビューでは、高評価をつけるユーザーも多く、リピート購入する顧客も少なくありません。特に、介護職や医療職など、身体的負担の大きい職業の方からの支持が目立ちます。長時間の立ち仕事や身体介助を行う方々にとって、リライブシャツは仕事の質を維持する上で重要なアイテムとなっているようです。

消費者の反応とメディアの報道

今回の自主回収発表後、消費者からは様々な反応が寄せられています。

SNSでは、「誠実な対応だと思う」「安全性に問題がないなら良かった」「15,000円のクーポンは太っ腹」といった肯定的な意見が見られました。企業の迅速な対応と手厚い補償を評価する声が多く聞かれます。

一方で、「制度をしっかり理解していなかったのでは」「遠赤外線だけに頼らず別の技術転換を図るべき」といった厳しい指摘もあります。また、「医療機器として買ったのに、効果が認められていなかったのか」という失望の声や、「結局効かないということなのか」という疑問の声も上がっています。

ただし、りらいぶ側は製品の機能自体には問題がなく、あくまで行政上の定義に該当しないという点を強調しています。実際、製品の遠赤外線輻射機能や間接テーピング技術は変わっていないため、ユーザーが感じていた効果が無効になったわけではありません。

今回の自主回収は、福井新聞、繊研新聞、オリコン、Yahoo!ニュース、NHK、ファッションスナップなど、多数のメディアで報道されました。「令和の虎」で注目を集めた企業だけに、その自主回収も大きな関心を呼んでいます。

報道の多くは、自主回収の事実と理由、そして安全性には問題がないという点を中心に伝えています。また、厚生労働省による定義の明確化という行政側の動きについても詳しく報じられています。経済メディアでは、年商50億円超まで成長した企業がこの困難をどう乗り越えるか、今後の事業戦略に注目が集まっているという論調も見られます。

業界への影響と今後の展望

今回の厚生労働省による定義の明確化は、リライブシャツだけでなく、同様の製品を販売する他の企業にも影響を及ぼす可能性があります。「部分的な遠赤外線輻射機能」を持つ衣類を医療機器として販売していた企業は、同様の対応を迫られることになるでしょう。

この規制の明確化は、消費者保護の観点から見れば、医療機器としての効果を適切に担保するための重要な措置と言えます。医療機器は人の健康に直接関わる製品であるため、その定義や基準を厳格に管理することは行政の重要な役割です。

一方で、企業側にとっては、既存製品の回収や新製品の開発など、大きな負担となることは間違いありません。特に、すでに大規模な販売実績を持つ企業にとっては、事業戦略の大幅な見直しが必要となります。

リカバリーウェア市場全体への影響も注目されます。医療機器としての認定を受けている他社製品が、同様の「部分的な遠赤外線輻射」方式を採用している場合、業界全体での見直しが必要になる可能性があります。

市場には、リライブシャツ以外にも遠赤外線効果をうたう衣類製品が多数存在します。これらの製品の中で、医療機器として認定を受けているものは、今回の基準明確化により、同様の見直しを迫られる可能性があります。特に、プリントやシール、部分的な加工によって遠赤外線輻射機能を付加している製品は、医療機器としての認定を維持できない可能性が高いでしょう。

りらいぶにとって、今回の自主回収は大きな試練ですが、同時に企業としての対応力が試される機会でもあります。同社が今後どのような製品開発を行い、どのように事業を展開していくかが注目されます。医療機器としての認定を再取得するのか、それとも別の方向性を模索するのか、その選択が今後の成長を左右するでしょう。

衣類全体に遠赤外線輻射機能を持たせる新技術の開発、あるいは「間接テーピング®」技術をさらに進化させた新製品の投入など、様々な可能性が考えられます。また、医療機器としての認定にこだわらず、一般的な健康サポートウェアとして販売を続けるという選択肢もあります。実際、口コミでは多くのユーザーが効果を実感しており、製品自体の価値は失われていません

消費者が知っておくべき重要なポイント

今回の事案から、消費者が学ぶべき重要なポイントがいくつかあります。

第一に、医療機器の定義は時期によって変わる可能性があるということです。今回の事例が示すように、行政の基準や定義は社会の変化や科学的知見の進展に応じて更新されることがあります。購入時には医療機器として認定されていた製品が、後に基準の変更により認定を維持できなくなることもあるのです。

第二に、自主回収は安全性の問題とは限らないということです。今回の自主回収は、安全性に問題があるわけではなく、行政上の定義に該当しないという理由です。製品の品質や機能に欠陥があったわけではなく、法的な要件を満たさなくなったという行政上の問題です。

第三に、医療機器表示の意味を理解することが重要です。「医療機器」という表示は、一定の効果が認められていることを示しますが、その基準は厳格に管理されています。医療機器認定があるからといって、必ずしもすべての人に効果があるわけではなく、また認定がなくても効果的な製品は存在します。

第四に、今回使用している製品をそのまま使用し続けることも可能だということです。自主回収はあくまで任意であり、医療機器としての表示を適正化するための措置です。現在リライブシャツαやリライブスパッツαを使用していて、効果を実感している方は、そのまま使用を続けても全く問題ありません。健康被害のリスクはないと明言されています。

企業の社会的責任と信頼性

りらいぶは今回の事案に対して、迅速に自主回収を決定し、購入者への補償も手厚く行っています。この対応は、企業の社会的責任を果たそうとする姿勢として評価できます。

特に、15,000円分のクーポンまたは全額返金という補償内容は、購入者の信頼を維持しようとする企業の努力が表れています。多くの企業が最低限の対応にとどまる中、購入価格を上回る補償を提供するという判断は、長期的な顧客関係を重視する姿勢の表れと言えるでしょう。

公式サイトでの謝罪と経緯の説明、消費者庁のリコール情報サイトへの登録、そして24時間対応のオンライン受付システムの整備など、透明性のある対応を行っています。これらの対応は、企業が問題を隠すのではなく、正面から向き合おうとする姿勢を示しています。

今回の自主回収が、りらいぶの企業イメージや信頼性にどのような影響を与えるかは、今後の対応次第と言えます。迅速な自主回収の決定、手厚い補償、透明性のある情報開示は、企業の誠実さを示すものとして評価できます。一方で、医療機器としての定義を十分に理解していなかったという点は、企業としての管理体制に課題があったことを示唆しています。

しかし、「令和の虎」での露出やこれまでの成長実績、累計200万枚以上の販売実績は、消費者からの一定の信頼を獲得していることの証明です。この信頼を維持できるかどうかが、今後の事業継続の鍵となるでしょう。

まとめと今後への期待

りらいぶによる「リライブシャツα」「リライブスパッツα」約48万着の自主回収は、2025年8月の厚生労働省による医療機器定義の明確化を受けたものです。遠赤外線輻射範囲が部分的であったため、新しい基準に合致しないことが理由ですが、製品の安全性には全く問題がありません

同社は、返送商品1点につき15,000円分のクーポンまたは全額返金という手厚い補償を提供しており、企業としての誠実な対応を示しています。この対応は、短期的な損失を受け入れてでも、長期的な顧客との信頼関係を維持しようとする経営判断の表れです。

この事案は、医療機器の定義が時代とともに更新されること、そして企業がそうした変化に適切に対応する必要があることを示す事例と言えるでしょう。年商700万円から50億円超へと急成長を遂げた企業が直面した試練は、日本の健康産業における規制と企業活動のあり方を考える上で、重要な事例となっています。

「令和の虎」をきっかけに驚異的な成長を遂げた企業が、この困難をどう乗り越えるか。佐々木社長のリーダーシップと、企業としての対応力が問われています。累計200万枚以上を販売し、多くのファンを獲得してきた実績は、今後の事業展開の大きな資産となるでしょう。

製品の機能や効果自体は変わっていないため、医療機器としての認定にこだわらない新たな販売戦略、あるいは衣類全体に遠赤外線輻射機能を持たせる新技術の開発など、様々な可能性が考えられます。りらいぶの次の一手に、業界全体が注目しています。

消費者の皆様におかれましては、今回の自主回収が安全性の問題ではないこと、そして現在使用している製品は引き続き安心して使用できることを理解していただければと思います。医療機器認定の有無にかかわらず、ご自身の身体の反応を大切にしながら、製品を選択されることをお勧めします。

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