ロッテリアが閉店してゼッテリアへ転換される理由は、2023年にゼンショーホールディングスがロッテリアを買収し、新ブランドへの統一を進めているためです。2026年3月を目処に、国内の全ロッテリア店舗が閉店またはゼッテリアへと業態転換される予定となっています。1972年の創業から54年にわたり日本のファストフード業界を支えてきたロッテリアは、その長い歴史に幕を下ろし、ゼンショーグループの強みを活かした新ブランド「ゼッテリア」として生まれ変わることになりました。この記事では、ロッテリアの閉店理由やゼッテリアへの転換経緯、メニューの変化、消費者の反応まで詳しく解説していきます。

- ロッテリアとは?54年の歴史を持つ老舗ハンバーガーチェーン
- ロッテリア閉店の理由とゼンショーによる買収の背景
- ゼンショーホールディングスの戦略とロッテリア買収の狙い
- 新ブランド「ゼッテリア」とは?名前の由来とコンセプト
- ゼッテリアへの転換経緯と店舗数の推移
- 2026年3月に全店舗がゼッテリアへ完全転換予定
- ゼッテリアのメニュー変更点と味の違い
- ゼッテリアで廃止されたメニューと消えた人気商品
- ゼッテリアの強みとなるフェアトレードコーヒー
- ゼンショーのMMDシステムがもたらす価格競争力
- ゼッテリアの価格設定とコストパフォーマンス
- ロッテリア閉店とゼッテリア転換に対する消費者の反応
- ロッテリアとゼッテリアの主な違いを比較
- ゼッテリアの今後の展望とハンバーガー市場への影響
- まとめ:ロッテリアからゼッテリアへの転換が意味するもの
ロッテリアとは?54年の歴史を持つ老舗ハンバーガーチェーン
ロッテリアは、1972年に東京・日本橋で創業した日本のハンバーガーチェーンです。菓子メーカーとして知られるロッテグループが展開する外食事業として、半世紀以上にわたり日本のファストフード文化に貢献してきました。
ロッテリアの最大の特徴は、日本人の味覚に合わせた独自メニューの開発力にありました。特に「エビバーガー」は日本発のオリジナルメニューとして高い人気を誇り、競合他社も追随するほどの影響力を持っていました。また、2009年に発売された「絶品チーズバーガー」は、厳選された素材と独自の製法により、ワンランク上のハンバーガーとして多くのファンを獲得しました。
ロッテリアは長年にわたり、マクドナルドやモスバーガーと並ぶ「ハンバーガー御三家」の一角として、日本のファストフード市場で確固たる地位を築いてきました。「シェーキ」や「リブサンドポーク」といった個性的なメニューも多くの消費者に愛され、世代を超えて親しまれるブランドとして成長を続けてきたのです。
ロッテリア閉店の理由とゼンショーによる買収の背景
ロッテリアが閉店に至る直接的な理由は、親会社であったロッテホールディングスがロッテリアの全株式を売却したことにあります。2023年2月16日、ロッテホールディングスは傘下のロッテリア全株式をゼンショーホールディングスの子会社である「ゼンショーファストホールディングス」に売却すると発表しました。
ロッテグループが売却を決断した理由としては、公式には「グループ成長戦略における事業ポートフォリオの見直し」と説明されています。しかし、その背景には複数の要因が存在していたと考えられます。まず、ハンバーガー市場の競争激化があります。マクドナルドやモスバーガーとの競争が激しさを増す中で、単独での設備投資やデジタルトランスフォーメーションへの対応、人材確保にかかるコストが増大していました。菓子事業を主軸とするロッテグループにとって、これらのコスト負担は経営上の重荷となっていた可能性があります。
また、外食専業企業との経営資源の差も大きな要因でした。ゼンショーホールディングスのような外食専業の大手企業は、食材調達から物流、店舗運営までを一貫して行う体制を構築しています。このようなプラットフォームを持たないロッテリアが、今後も市場で競争力を維持していくためには、専門的なノウハウを持つパートナーへの譲渡が最適であるという経営判断が下されたのです。2023年4月1日に株式譲渡が完了し、ロッテリアは正式にゼンショーグループの傘下に入りました。
ゼンショーホールディングスの戦略とロッテリア買収の狙い
ゼンショーホールディングスは「フード業世界一」を企業目標に掲げる日本最大の外食企業グループです。「すき家」「はま寿司」「ココス」「なか卯」など、多岐にわたる業態を全国で展開しています。
ゼンショーがロッテリア買収に踏み切った背景には、ハンバーガー事業への参入という長年の課題がありました。同社は過去に「ウェンディーズ」の日本展開を手がけましたが、最終的には撤退を余儀なくされた経験を持っています。ロッテリアの買収は、この苦い経験を経て満を持して行われた再挑戦だったのです。
ゼンショーがロッテリア買収で期待したシナジー効果は主に三つあります。一つ目は、同社が誇る「MMDシステム」との統合です。MMDシステムとは「マス・マーチャンダイジング・システム」の略で、食材の調達から製造、物流、店舗運営までを一貫して自社管理する仕組みのことです。このシステムにロッテリアの358店舗(2023年1月時点)を組み込むことで、劇的なコストダウンと収益改善が見込めました。
二つ目は、既存のサプライチェーンの活用です。すき家で使用される牛肉の調達ルートをハンバーガーのパティに応用したり、グループ共通の物流網を活用したりすることで、中間流通マージンの削減と新鮮な食材の安定供給が可能となります。
三つ目は、ハンバーガー市場という新たな収益源の確保です。マクドナルドやモスバーガーが支配するハンバーガー市場において、ゼンショーグループの総力を結集した「第三の勢力」として市場シェアの拡大を目指しています。
新ブランド「ゼッテリア」とは?名前の由来とコンセプト
ゼッテリア(ZETTERIA)は、ゼンショーグループがロッテリアに代わって展開する新しいハンバーガーチェーンブランドです。2023年9月に東京・田町の「田町芝浦店」に1号店がオープンしました。
ゼッテリアという名称の由来について、公式には二つの要素を組み合わせた造語であると説明されています。一つは、ロッテリア時代からの看板商品である「絶品バーガー」の「ゼ(ZE)」です。もう一つは、気軽に楽しめる「カフェテリア(TERIA)」という言葉です。これらを組み合わせることで、絶品バーガーを気軽に楽しめる場所というコンセプトを表現しています。
また、業界分析の観点からは、「ゼンショー(ZENSHO)」の頭文字「Z」を含めることで、新しい親会社のアイデンティティを示す意図も読み取れます。既存のロッテリアファンに対しては「絶品」という馴染みあるキーワードで安心感を与えつつ、新たなブランドとしての刷新を図る高度なブランディング戦略となっています。
ゼッテリアのコンセプトは「カフェテリア」という名称にも表れています。単なるファストフード店ではなく、ゆったりと過ごせる空間を提供することを目指しています。店舗デザインはロッテリアのブランドカラーである赤を継承しつつも、よりモダンで機能的な空間へとアップデートされています。客席へのコンセント設置や一人客でも利用しやすいカウンター席の拡充など、現代のライフスタイルに合わせた設計が施されています。
ゼッテリアへの転換経緯と店舗数の推移
ロッテリアからゼッテリアへの転換は、段階的かつ計画的に進められてきました。その経緯を時系列で振り返ると、ゼンショーグループの戦略的な意図が明確に見えてきます。
2023年2月にロッテホールディングスが売却を発表し、同年4月に株式譲渡が完了しました。その後、約5ヶ月の準備期間を経て、2023年9月に東京・田町にゼッテリア1号店がオープンしました。1号店の立地として選ばれた田町芝浦エリアは、平日はオフィスワーカー、週末はファミリー層という二つの顔を持つ地域です。多様な利用動機を検証するテストマーケットとして最適な場所でした。
店舗数の推移を見ると、転換のスピードは加速度的に進んでいます。2023年1月時点で358店舗あったロッテリアは、2025年6月時点で222店舗まで減少しました。約2年半で136店舗、およそ4割の店舗が削減されたことになります。この削減は、不採算店舗の閉鎖と収益見込み店舗のゼッテリアへの転換という二つの方法で進められました。
2025年9月時点でゼッテリアの店舗数は76店舗に達しており、地方都市においても「いつの間にかロッテリアがゼッテリアになっていた」という現象が各地で起きています。特に象徴的だったのは、銀座の数寄屋橋交差点に位置する旗艦店がゼッテリアへと看板を架け替えたことです。一等地におけるこの変更は、ゼンショーの本気度を示すものでした。
2026年3月に全店舗がゼッテリアへ完全転換予定
2026年1月、日本経済新聞により「ロッテリア、54年の歴史に幕 全店『ゼッテリア』に転換」という報道がなされました。この報道によれば、ゼンショーホールディングスは2026年3月を目処に、国内に残存するロッテリアブランドの全店舗を閉店、あるいはゼッテリアへと業態転換する計画を進めています。
2023年4月の買収からわずか3年弱で、半世紀以上続いたブランドを完全に消滅させ、新ブランドへと塗り替えるというのは、極めてスピード感のある改革です。ゼンショーがブランド統一を急ぐ理由は明確に二つあります。
一つ目は、旧親会社ブランドからの完全な脱却です。「ロッテ」という名を冠した屋号を使い続けることは、消費者のブランド認知に混乱を招き、独自のブランド価値構築の妨げとなります。ゼンショーグループとしての新しいアイデンティティを確立するためには、旧ブランド名の完全な廃止が必要でした。
二つ目は、運営効率の最大化です。ロッテリアとゼッテリアという二つのブランドが並存する期間は、包材やユニフォーム、販促物、メニュー開発などが二重投資となり非効率です。期限を区切ってブランドを統一することで、MMDシステムの効率を極限まで高め、収益性を最大化するというのがゼンショーの戦略です。
ゼッテリアのメニュー変更点と味の違い
ゼッテリアへの転換において、消費者が最も気になるのはメニューの変化です。ゼンショーはロッテリアの遺産を引き継ぎつつも、自社のサプライチェーンに合わせて商品を徹底的に再設計しています。
絶品チーズバーガーの変更点について解説します。ロッテリアの代名詞であった「絶品チーズバーガー」は、ゼッテリアでも主力商品として継続されていますが、その仕様は大きく変更されました。最も目立つ変化はバンズの形状です。従来の丸型から俵型(オーバル型)へと変更されています。この新しいバンズは「コッペパンのように柔らかく、甘みがある」と評されており、食感の差別化が図られています。形状変更には、物流における積載効率の向上や製造ラインの効率化という狙いもあるとされています。
価格面では、ロッテリア時代に単品440円であった絶品チーズバーガーが、ゼッテリアでは一時390円という低価格で提供されました。原材料費が高騰する中での値下げは、ゼンショーグループのバイイングパワーを示すものです。ただし、味については「ソースが変わり、以前のような肉とチーズの一体感が薄れた」「からしマヨネーズの風味が加わり、別物になった」という旧来ファンからの声も上がっています。
エビバーガーについても変化が見られます。タルタルソースの味が変わったという指摘や、マヨネーズ感が強くなったという声が消費者から寄せられています。これは、ゼンショーグループの調達ルートや製造基準に合わせて原材料が変更されたことによるものと考えられます。
ゼッテリアで廃止されたメニューと消えた人気商品
ゼッテリアへの転換に伴い、残念ながら一部の人気メニューが姿を消すことになりました。効率化の波は、長年のファンを持つメニューの淘汰も招いています。
リブサンドポークの廃止は、多くのロッテリアファンにとって最も衝撃的な変更でした。細長い形状のポークパティを使用するリブサンドは、ロッテリアを代表する人気商品の一つでした。しかし、この商品は専用のオペレーションや食材管理が必要となるため、メニュー構成の最適化を図る過程で整理対象となりました。ゼッテリアのメニューラインナップにはリブサンドは含まれておらず、復活を望む声がSNS上で多数見られる状況です。
シェーキのフレーバー整理も行われています。ロッテリアで提供されていた「宇治抹茶ラテ」や「ココア」などの一部ドリンクメニューは、ゼッテリアでは取り扱われていない場合があります。提供スピードの向上と廃棄ロスの削減を優先した結果、フレーバーの種類が絞り込まれました。
一方で、ゼンショーグループの強みを活かした新メニューも登場しています。「絶品オレンジチキンバーガー」や「絶品牛カルビチーズバーガー」などは、すき家で培った牛肉調達力を応用した商品です。メニューの新陳代謝が強制的に進められる中で、新たな看板メニューの創出が図られています。
ゼッテリアの強みとなるフェアトレードコーヒー
ゼッテリアがロッテリアと明確に差別化を図る要素として打ち出しているのが「フェアトレードコーヒー」です。ゼンショーは以前よりフェアトレード活動に注力しており、ゼッテリアではその取り組みを前面に押し出しています。
フェアトレードコーヒーとは、発展途上国の生産者と公正な価格で取引されたコーヒーのことです。ゼッテリアで提供されるコーヒーは、ルワンダやペルーなどの生産者組合と直接取引を行い、社会開発資金を上乗せして購入された豆を使用しています。生産者の生活向上に貢献しながら、高品質なコーヒーを調達するという社会貢献と事業性を両立させた取り組みです。
味わいの面では、従来のファストフードコーヒーにありがちな強い苦味を抑え、酸味を際立たせた「スペシャリティコーヒー」寄りの設計となっています。カップには生産者の生活を描いたイラストが採用され、フタもシーリングタイプに変更されるなど、品質へのこだわりを視覚的にも訴求しています。
コンビニコーヒーやカフェチェーンとの競争が激化する中、ゼッテリアのフェアトレードコーヒーは差別化要素として機能しています。社会貢献に関心の高い消費者層へのアピールポイントとなるとともに、「カフェテリア」というコンセプトを体現する商品として位置づけられています。
ゼンショーのMMDシステムがもたらす価格競争力
ゼッテリアが質の高いバンズやコーヒーを導入しながらも低価格路線を維持できる秘密は、ゼンショーグループの中核をなす「MMDシステム」にあります。
MMDシステムの仕組みを詳しく解説します。MMD(Mass Merchandising Delivering)システムとは、原材料の調達から製造、加工、物流、店舗販売までをグループ内で一貫して行う仕組みです。ゼンショーは世界中に調達拠点を持ち、牛肉や魚介類、コーヒー豆などを大量に買い付けることで、他社には真似できないコスト競争力を発揮しています。
具体的には、すき家で使用される牛肉の調達ルートをハンバーガーのパティや牛カルビバーガーに応用することで、食材ロスの削減と原価低減を同時に実現しています。また、グループ共通の物流網を活用することで中間流通マージンを排除し、新鮮な食材を各店舗に効率よく配送することが可能です。
品質管理面でもMMDシステムは重要な役割を果たしています。ゼンショーは独自の厳しい安全基準を設けており、食材の選定から加工プロセスに至るまで徹底した管理を行っています。ゼッテリアへの転換に伴い、使用される食材は順次ゼンショー基準のものへと切り替えられ、全国どの店舗でも均質な商品を提供できる体制が整えられました。
ロッテリアがゼンショー傘下に入った最大のメリットは、この巨大なインフラを即座に利用できる点にありました。単独では実現できなかったコスト競争力と品質管理体制を、グループの力を借りることで一挙に獲得したのです。
ゼッテリアの価格設定とコストパフォーマンス
ゼッテリアに対する消費者の実利的な評価は高まりつつあります。特に支持を集めているのがモーニングメニューの価格設定です。
ゼッテリアのモーニングメニューは、いわゆる「ワンコイン」でお釣りが来る価格設定を実現しています。ソーセージマフィンのコンビ(ドリンク付)は390円から、セット(ハッシュポテト+ドリンク付)は490円から提供されています。物価高が続く日本において、500円以下で満足できる朝食を提供できることは大きな競争力となっています。
「500円でお腹いっぱいになれる」「マクドナルドよりもコスパが良いかもしれない」という口コミが広がり、朝の時間帯における集客はロッテリア時代を上回る成果を上げている店舗もあります。これはMMDシステムによるコスト削減効果が価格に反映された結果です。
店舗の利便性向上も評価されています。電源コンセントの充実により、スマートフォンの充電やノートパソコンでの作業が可能となっています。カフェ風の落ち着いた内装は、単なる食事場所としてだけでなく、ちょっとした休憩や作業スペースとしても利用できる「サードプレイス」としての機能を提供しています。現代のライフスタイルにマッチしたこれらの設備は、若年層やビジネスマンから概ね肯定的な評価を得ています。
ロッテリア閉店とゼッテリア転換に対する消費者の反応
ロッテリア閉店とゼッテリアへの転換に対しては、賛否両論の声が上がっています。SNSやブログ上では様々な反応が見られ、消費者心理の複雑さを映し出しています。
惜別と喪失感を訴える声が多く見られます。「子供の頃から食べていたエビバーガーの味が変わるのは寂しい」「リブサンドがなくなるなら、もう行く理由がない」「名前が変わるのは、一つの時代の終わりを感じる」といった感情的な反応が目立ちます。特に長年のファンにとって、味の変化は敏感な問題です。エビバーガーのタルタルソースや絶品チーズバーガーのソースの味が変わったという指摘は、それだけロッテリアの味が消費者の記憶に深く刻まれていたことの証でもあります。
ブランド名に対する違和感の声もありました。「名前がダサい」「パチモンっぽい」といったネガティブな反応は、ゼッテリア発表当初に特に強く見られました。馴染みのある「ロッテリア」という名称から聞き慣れない「ゼッテリア」への変更は、消費者にとって心理的な抵抗感を生むものでした。
一方で、実利面での評価向上も着実に進んでいます。店舗数が増え、実際に利用する機会が増えるにつれて、消費者の反応は徐々に「受容」へと変化しています。味の変化についても「これはこれで美味しい」「パンがふわふわで食べやすい」という新たなファン層が形成されつつあります。価格の安さや店舗の利便性が認知されるにつれ、当初のネガティブな印象は薄れてきているのが現状です。
ロッテリアとゼッテリアの主な違いを比較
ロッテリアとゼッテリアの違いを整理すると、単なる名称変更ではなく、運営体制から商品内容まで多岐にわたる変化が見えてきます。
| 項目 | ロッテリア | ゼッテリア |
|---|---|---|
| 運営会社 | ロッテホールディングス傘下 | ゼンショーホールディングス傘下 |
| 店舗コンセプト | ファストフード店 | カフェテリア型ファストフード |
| 絶品バーガーのバンズ | 丸型 | 俵型(オーバル型) |
| リブサンドポーク | 提供あり | 提供なし |
| フェアトレードコーヒー | なし | あり |
| 店内設備 | 標準的 | コンセント・カウンター席充実 |
| サプライチェーン | ロッテグループ | ゼンショーMMDシステム |
この比較から分かるように、ゼッテリアはロッテリアの人気メニューを継承しつつも、ゼンショーグループの強みを活かした新しい業態として再設計されています。効率化によるコスト削減と、カフェテリアとしての付加価値向上という二つの方向性が打ち出されているのが特徴です。
ゼッテリアの今後の展望とハンバーガー市場への影響
2026年3月の完全転換後、ゼッテリアは新たなフェーズに入ることになります。マクドナルドやモスバーガーという二大巨頭が支配するハンバーガー市場において、ゼンショーグループの総力を結集した「第三の勢力」として定着できるかどうかが問われます。
ゼッテリアの強みと課題を整理します。強みとしては、MMDシステムによる圧倒的なコスト競争力、フェアトレードコーヒーに代表される差別化戦略、そしてゼンショーグループが持つ外食事業の豊富なノウハウがあります。すき家やはま寿司で培った大量調達力と全国展開の経験は、ゼッテリアの成長を支える基盤となるでしょう。
一方で課題もあります。最大の課題はブランド認知度の構築です。54年の歴史を持つロッテリアの知名度に対し、ゼッテリアはまだ新しいブランドです。消費者の認知を高め、「ハンバーガーを食べるならゼッテリア」という選択肢として定着させるためには、継続的なマーケティング活動が必要となります。また、味の変化に戸惑う旧来ファンをつなぎ留めながら、新規顧客を開拓するというバランスの取れた戦略も求められます。
日本のハンバーガー市場全体への影響も注目されます。ゼンショーという外食最大手がハンバーガー事業に本格参入することで、価格競争が激化する可能性があります。MMDシステムによるコスト競争力を武器に、ゼッテリアが積極的な価格戦略を展開すれば、競合他社も対応を迫られることになるでしょう。消費者にとっては選択肢が広がり、より良い商品をより安く手に入れられる可能性がある一方、業界全体の収益構造に影響を与える可能性も秘めています。
まとめ:ロッテリアからゼッテリアへの転換が意味するもの
ロッテリアの閉店とゼッテリアへの転換は、日本の外食産業における大きな構造変化を象徴する出来事です。1972年から54年にわたり日本のファストフード文化を支えてきたロッテリアは、2026年3月にその歴史に幕を下ろします。しかし、これは単なる「消滅」ではなく、現代の外食産業が求める形への「変革」と捉えることができます。
ロッテリアが培ってきた「エビバーガー」や「絶品チーズバーガー」といった人気メニューは、ゼッテリアという新たな器の中で、MMDシステムという強力なエンジンを搭載し、より効率的で競争力のある商品へと進化を遂げています。リブサンドの廃止のように惜しまれる変化もありますが、フェアトレードコーヒーや居心地の良い店舗環境など、新たな価値も生まれています。
ゼンショーホールディングスによる買収と転換は、データと物流と資本の論理で市場を制しようとする現代ビジネスの姿を映し出しています。感情的には惜別の念を抱く消費者も多いものの、実利的な面での評価は着実に高まっています。2026年3月の完全転換完了後、ゼッテリアがハンバーガー市場でどのような存在感を示すのか、その動向が注目されます。

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