メルヴィータは、2026年3月31日をもって日本での全事業を終了します。公式オンラインストアでは2026年3月31日23時59分まで購入可能ですが、実店舗は2025年12月末から順次閉店していくため、購入機会は想像以上に早く失われていきます。フランス発のオーガニックコスメブランドとして、アルガンオイルを日本市場に広めた功績を持つメルヴィータの撤退は、多くの愛用者にとって衝撃的なニュースとなりました。
この記事では、メルヴィータの日本撤退スケジュールの全貌、各店舗やオンラインサイトの閉鎖時期、撤退の背景にある理由、そして愛用者が今すぐ取るべき行動と代替ブランドについて詳しく解説します。1983年にフランスのアルデーシュ地方で誕生し、2011年の日本本格上陸以来約15年にわたりオーガニックコスメ市場を牽引してきたこのブランドとの別れに備え、必要な情報をすべてお伝えします。
メルヴィータ日本撤退はいつまで？事業終了の最終日と全体像
メルヴィータの日本事業終了は、2026年3月31日（火曜日）が最終日と公式に発表されています。この日付は、直営店舗の営業、公式オンラインストアでの販売、そして主要なカスタマーサービス機能を含むすべての事業活動が終了する法的な事業終了日です。
しかし、実際に製品を購入できる期間は、この最終日よりもはるかに早く終わる点に注意が必要です。各地域の直営店や百貨店カウンターは、2025年末から2026年3月にかけて段階的に閉店していきます。つまり「3月31日まで買える」という認識は誤りであり、店舗によっては2025年12月中に営業を終了するところもあります。地域ごとの詳細な閉店スケジュールを把握しておくことが、製品を確保するための第一歩となります。
メルヴィータ実店舗の閉店スケジュールを時系列で解説
実店舗の撤退プロセスは、すでに2025年内から始まっています。閉店は地域ごとに異なるタイミングで進行し、主要都市の旗艦店であっても例外なく閉鎖対象となっています。ここでは時系列順に各店舗の閉店予定日を詳しく見ていきます。
2025年12月から2026年1月にかけての早期閉店
撤退の動きは、公式発表の直後から始まっています。東海地方の重要拠点であるメルヴィータ 名古屋タカシマヤ ゲートタワーモール店は、2025年12月25日（木）のクリスマス当日に営業を終了します。年末商戦の最終盤におけるこの閉店は、ブランドの撤退意志の固さを示しており、名古屋エリアのユーザーは年明けの初売りを待たずにブランドとの接点を失うことになります。
また、東京のアトレ恵比寿店についても、2025年1月中旬という早い段階での閉店がアナウンスされており、テナント契約の更新時期に合わせた早期撤退が進行しています。
2026年1月の主要拠点一斉閉鎖
年が明けた2026年1月には、全国規模での閉店ラッシュが発生します。九州エリアでは、フルーツギャザリング アミュプラザ小倉店での取り扱いが2026年1月25日（日）に終了します。
続いて月末の2026年1月31日（土）には、関東、北海道、東北、関西の主要店舗が一斉に姿を消します。具体的には、神奈川県のターミナル店舗であるルミネ横浜店、北海道の玄関口にあるアミューズボーテ 大丸札幌店、青森県のグリーンコスメティックガーデン THREE青森店、そして関西の神戸阪急店およびイセタンミラーグランツリー武蔵小杉店が含まれます。特にルミネ横浜や神戸阪急といった交通の要衝にある店舗の消失は、日常的に通勤・通学途中で製品を購入していた方にとって大きな利便性の喪失となります。
2026年2月の地方・郊外店および大阪拠点の閉鎖
撤退の波は2月に入るとさらに加速し、地方都市や郊外型モール、そして大阪の主要拠点を飲み込んでいきます。特に注目すべきは、2026年2月24日（火）に予定されている阪神梅田本店の閉店です。同店は2025年4月に阪急うめだ本店から移転オープンしたばかりの新しいコンセプトストアでしたが、わずか1年足らずでその歴史に幕を下ろすことになります。
続いて2026年2月26日（木）には、イオンモール系列に入居するコスメームでの取り扱いが一斉に終了します。これにはイオンモール岡山店、イオンモール水戸内原店、イオンレイクタウン店が含まれ、地方在住者にとって貴重な購入機会が失われます。
さらに2026年2月27日（金）には栃木県のFKDショッピングモールインターパーク店 ラ ナチュールが営業を終了します。そして月末の2026年2月28日（土）には、関西郊外のフルーツギャザリング系列として千里阪急店、川西阪急店、高槻阪急店が閉店するほか、宮城県のスキヤ 一番町店、東京の東急shinQs BeautyPallet 南町田店、愛媛県の伊予鉄高島屋 グリーンコスメティックガーデンなども営業を終えます。2月末の時点で、日本国内の実店舗網の大部分が消滅する計算となります。
2026年3月の最終閉店
事業終了月となる3月まで営業を継続する店舗はごくわずかです。2026年3月3日（火）には、東京の東武百貨店 池袋本店および大阪のあべのハルカス近鉄店が閉店を迎えます。これらは最後まで残る主要な直営拠点となりますが、3月末の事業終了日より約1ヶ月早い段階で、事実上、日本国内の実店舗ネットワークは機能を停止します。
| 閉店時期 | 主な店舗 |
|---|---|
| 2025年12月25日 | 名古屋タカシマヤ ゲートタワーモール店 |
| 2026年1月中旬 | アトレ恵比寿店 |
| 2026年1月25日 | フルーツギャザリング アミュプラザ小倉店 |
| 2026年1月31日 | ルミネ横浜店、大丸札幌店、神戸阪急店など |
| 2026年2月24日 | 阪神梅田本店 |
| 2026年2月26日 | コスメーム各店（岡山、水戸内原、レイクタウン） |
| 2026年2月28日 | フルーツギャザリング関西各店、スキヤ一番町店など |
| 2026年3月3日 | 東武百貨店池袋本店、あべのハルカス近鉄店 |
メルヴィータのオンライン購入はいつまで可能？ECサイト別の終了日
物理的な店舗だけでなく、ECサイトやデジタルサービスにおいても厳格な終了日時が設定されています。普段利用しているサイトのスケジュールを確認しておくことが重要です。
ZOZO COSMEは2026年2月20日で終了
ファッション通販サイトZOZOTOWN内のコスメモール「ZOZO COSME」での販売は、2026年2月20日（金）をもって終了します。ここで特に注意が必要なのは決済に関するスケジュールです。ツケ払いなどを利用している場合、支払いの確定も2月19日までに完了させる必要があります。アパレル製品とあわせて日常的に購入していた方は、公式終了よりも1ヶ月以上早い2月中旬がリミットとなることを覚えておいてください。
公式オンラインストアは2026年3月31日まで注文可能
ブランド直営の公式オンラインストアは、事業終了当日である2026年3月31日（火）の23時59分まで注文を受け付けます。これが日本国内で正規ルートかつ定価でメルヴィータ製品を購入できる最後のチャンスです。
しかし、最終日はアクセス集中によるサーバーダウンのリスクや、人気商品の在庫切れが強く懸念されます。特にアルガンオイルやロルロゼシリーズといった人気製品は、最終月を待たずに欠品する可能性が高いです。過去の他ブランド撤退事例を見ても、最終月には主要製品が欠品し購入できないケースが多発しているため、余裕を持った購入計画を立てることが必須です。
オンラインアカウントと購入履歴は2026年4月23日まで
製品の購入だけでなく、オンラインストアのアカウント情報や購入履歴といったデジタル資産も消滅します。公式発表によると、オンラインストアのアカウントは2026年4月23日（木）をもって完全に閉鎖されます。確定申告や家計簿の管理、あるいは将来的に代替品を探すために過去の購入履歴を参照したい場合は、この日までにマイページからデータをダウンロードするか、スクリーンショット等で保存する必要があります。
メルヴィータのポイント・会員特典はいつまで使える？
製品販売の終了に伴い、長年運用されてきた会員制度やアフターサービスも段階的に機能を停止します。蓄積したポイントや特典がある方は、期限に注意が必要です。
VIP会員向けの特典や、誕生日月に付与されるバースデー特典は、2026年1月31日（土）をもって提供が終了します。したがって、2月以降に誕生日を迎える会員は、最後のバースデー特典を受け取ることができません。また、紙のメンバーズカードについては、全店舗の閉店後、2026年3月4日（水）以降は使用不可となります。蓄積されたポイントを商品交換や割引に利用したい場合は、各店舗の最終営業日までに使い切る必要があります。
公式Instagram、X（旧Twitter）、LINE、Facebook、YouTubeの全アカウントは、2026年3月31日（火）をもって閉鎖または更新停止となります。特にLINEのメンバーシップカード機能は、3月31日まではアクセス可能ですが、翌4月1日にはアクセス不可となり会員証画面自体が表示されなくなります。過去に配信された美容情報のアーカイブや、YouTube上の製品使用方法動画なども閲覧できなくなる可能性が高いため、必要な情報は今のうちに個人的に保存しておくことをおすすめします。
電話やメールでの問い合わせ窓口は、事業終了から約1ヶ月後の2026年4月27日（月）まで稼働します。撤退直前に購入した製品の初期不良対応や、返品に関する問い合わせについてはこの期間まで対応されますが、それを過ぎると連絡手段が完全に断たれることになります。並行輸入品や転売品に関するトラブルについては、期間中であっても対応しない方針が示されており、正規ルートでの購入の重要性が改めて浮き彫りになっています。
なぜメルヴィータは日本から撤退するのか？その背景と理由
日本市場で一定の知名度と強固なファンベースを持っていたメルヴィータが、なぜ完全撤退という決断に至ったのでしょうか。その背景には、親会社であるロクシタングループのグローバルレベルでの戦略転換と、日本市場特有の構造的な厳しさが複合的に絡み合っています。
ロクシタングループの経営戦略の変化
メルヴィータは、フランスの化粧品大手「ロクシタングループ」の傘下ブランドの一つです。同グループは近年、香港証券取引所への上場を廃止し非公開化（プライベート化）を行いました。これにより、四半期ごとの短期的な株主利益の追求から解放され、より長期的かつ抜本的なブランドポートフォリオの再構築が可能になりました。
非公開化後の経営方針として、グループは「ブランドの自律性」と「持続可能な成長」を掲げていますが、これは裏を返せば、収益性の低い地域や成長が見込めないブランドに対して、よりドラスティックなリストラや撤退の判断が可能になったことを意味します。
グループの最新の財務報告（FY2025）を分析すると、グループ全体の売上高は28億ユーロ（約4,500億円規模）を超え、前年比11.7%増と好調を維持しています。しかし、その成長を牽引しているのは、主力の「ロクシタン」に加え、爆発的な成長を見せているボディケアブランド「ソル・デ・ジャネイロ」や、英国発のスパブランド「エレミス」、韓国発の「エルボリアン」です。一方で、メルヴィータに関する言及は極めて限定的であり、成長率を誇る新興ブランドへの投資リソース集中が進む中で、日本市場において成長が鈍化していたメルヴィータ事業の優先順位が低下したと考えられます。
外資系コスメブランドの撤退ドミノ現象
メルヴィータの撤退は、決して孤立した事象ではありません。2024年から2026年にかけて、日本市場では外資系ビューティブランドの撤退や事業縮小が相次いでいます。資生堂ジャパンが展開していた「ローラ メルシエ」は2025年10月に日本市場から撤退し、「ベアミネラル」も百貨店カウンターを閉鎖、「イニスフリー」も直営店を撤退させるなど、欧米・韓国を問わず多くのブランドが日本でのリアル店舗展開に見切りをつけています。
この「撤退ドミノ」の背景には、いくつかの日本特有の市場環境があります。まず、長期化する円安は製品を輸入して販売する外資系ブランドにとって致命的な打撃を与えています。ユーロ建てやドル建てでの仕入れコストが暴騰する一方で、長年のデフレにより価格感度が鋭敏になっている日本の消費者に対して、コスト上昇分をそのまま価格転嫁することは容易ではありません。メルヴィータのような中間価格帯のブランドは、ラグジュアリーブランドほどの大幅な値上げが許容されず、かといってドラッグストアコスメとの価格競争にも巻き込まれやすいため、利益率が極端に悪化した可能性があります。
また、日本の化粧品規制（薬機法）は世界的に見ても厳格で独特であり、海外処方の製品をそのまま導入することが難しいケースが多々あります。日本向けに成分を調整したり、独自の日本語パッケージを作成したりする「ローカライズコスト」は莫大で、市場規模の縮小が予測される中、日本市場専用の対応を続けることは「割に合わない投資」となりつつあります。
さらに、かつて2010年代初頭にはオーガニックコスメといえば欧州ブランドが独壇場でしたが、近年は日本の新興D2Cブランドや韓国の「クリーンビューティ」ブランドが台頭しています。これらはSNSマーケティングに長け、安価でありながら高品質な製品を次々と投入しており、メルヴィータがかつて保持していた優位性が相対的に薄れていました。
アルガンオイルのコモディティ化
メルヴィータは2011年の日本上陸以来、アルガンオイルを洗顔後のブースターとして使う美容法を定着させ、大成功を収めました。しかし、上陸から15年近くが経過し、主力製品であるアルガンオイル自体がコモディティ化（一般化）した側面も否めません。現在では無印良品や国内メーカーが安価なアルガンオイルを販売しており、消費者は「メルヴィータでなければならない理由」を見出しにくくなっていました。リブランディングや容器の改良を行ってきましたが、市場の激変スピードに対してブランドの再活性化が追いつかなかった可能性があります。
メルヴィータが日本のオーガニックコスメ市場に残した功績
撤退という結果にはなりましたが、メルヴィータが日本の美容文化、特にオーガニックコスメ市場に与えた影響は計り知れません。ここでその歴史と功績を振り返ります。
ブランドの誕生と日本への導入
メルヴィータは1983年、フランス南東部の手つかずの自然が残るアルデーシュ地方で、生物学者であり養蜂家でもあるベルナー・シュビリアによって設立されました。ブランド名の「Mel」はラテン語で蜂蜜、「Vita」は生命を意味します。創業当初から「ミツバチと自然の共生」を掲げ、石油系化学物質を使用しない製品作りを徹底してきました。最初の製品は、養蜂業の副産物であるミツバチの恵みを活かした六角形の石鹸でした。
日本市場へは、ロクシタングループの強力なバックアップのもと2011年に進出しました。当時、日本では「オーガニックコスメ＝肌に優しいが効果は穏やか」「香りが独特で使いにくい」「保存が難しい」というネガティブなイメージも残っていました。その中でメルヴィータは、「生物学に基づいた確かな効果」と「化粧品としての洗練された使用感」を両立させた製品を投入し、オーガニックコスメに対する認識を根本から覆しました。
オイル美容の普及とブースター概念の定着
メルヴィータの最大の功績は、日本人のスキンケア習慣に「美容オイル」を定着させたことです。かつて日本のスキンケアは「化粧水＋乳液」が基本であり、オイルは「日焼けする」「ベタつく」「ニキビができる」として敬遠されがちでした。
メルヴィータは、「洗顔後すぐ、化粧水の前にオイルを塗る」というブースター（導入）オイルとしての使い方を提唱しました。アルガンオイルが持つ親水性と保水力に着目し、「オイルが硬くなった肌を柔らかくし、その後の化粧水の浸透を助ける」というロジックは、乾燥に悩む日本人女性に広く受け入れられました。@cosmeのベストコスメアワードで複数回受賞するなど、その評価は不動のものとなり、現在では多くのブランドがブースターオイルを発売していますが、その道を切り拓いたのは間違いなくメルヴィータでした。
オーガニック認証のスタンダード化への貢献
メルヴィータは、製品のほぼ全てにおいて国際的なオーガニック認証機関「ECOCERT（エコサート）」や「COSMEBIO（コスメビオ）」の認証を取得しています。日本において「認証マークがついていることが本物のオーガニックの証」という認識を広めたのも、メルヴィータの功績の一つです。また、近年では企業の社会的責任を評価する「B Corp」認証も取得しており、サステナビリティ経営の先駆者としても存在感を示していました。この姿勢は、日本の消費者の「成分を見る目」を養い、クリーンビューティの土壌を育むことに大きく貢献しました。
アルガンオイルの科学的な特徴
メルヴィータのアルガンオイルが支持された背景には、明確な科学的根拠がありました。モロッコの特定の地域にしか生育しないアルガンツリーの実から採取されるこのオイルは、数年間雨が降らなくても枯れない貯水力を持っています。低温圧搾法（コールドプレス）で抽出された一番搾りのオイルには、オレイン酸、リノール酸、ステロールが豊富に含まれており、これらが肌のキメを整え、ハリを与えるエイジングケア効果を発揮します。また、人の皮脂成分に近い組成を持つため肌馴染みが良く、ブースターとして機能するのです。
メルヴィータ愛用者が今すぐ取るべき購入計画と保存方法
事業終了までの残された期間、愛用者はどのように行動すべきでしょうか。ここでは具体的なアクションプランと、製品を長く楽しむための保存知識を提案します。
おすすめの購入スケジュール
2026年3月の完全終了を待っていると、人気商品は早期に欠品するリスクがあります。以下のスケジュールでの確保をおすすめします。
2025年末から2026年1月（確保フェーズ） の時期は、定番品である「ビオオイル アルガンオイル」や、スリミングケアとして人気の「ロルロゼ」シリーズのまとめ買いを行うべき最適なタイミングです。特に、閉店が早い店舗（名古屋、横浜など）を利用している方は、この時期に店頭でビューティーアドバイザーから代替品の提案や最後のカウンセリングを受けながら、まとめ買いを行うのが賢明です。
2026年2月中旬（ECラストスパート） はオンラインでの購入ラストスパートとなります。ZOZO COSMEの終了（2月20日）に合わせて、ポイント消化やクーポン利用を済ませてください。アパレル通販と併用している方にとって、送料をまとめられる最後の機会となります。
2026年3月（最終在庫処分） は公式オンラインストアでの最終購入期間ですが、この時期は「売り切れ御免」の状態となります。在庫処分セールが行われる可能性もありますが、必須アイテムが残っている保証はありません。リスクを避けるなら、この時期を待たずに購入を完了させるべきです。
オーガニックオイルの賞味期限と保存のコツ
まとめ買いをする際、最も懸念されるのが「使用期限」です。メルヴィータのようなオーガニック製品は、合成防腐剤を使用していないため、一般的なコスメよりもデリケートです。
未開封の場合、一般的に化粧品は製造から3年間は品質が保たれるように設計されています。購入時にパッケージの印字やロット番号を確認し、少なくとも2027年から2028年頃まで期限があるものを選べば、向こう1～2年分のストックは可能です。
保管場所については、アルガンオイルなどの植物オイルは酸化（光と熱）が大敵です。直射日光が当たる窓際や、お風呂場の近くなど高温多湿になる場所は避け、冷暗所（引き出しの中やクローゼットなど）で保管してください。夏場は冷蔵庫の野菜室などで保管するのも有効ですが、オイルの種類によっては低温で白濁・固化することがあります。その場合は室温に戻せば品質に問題なく使用できます。
開封後は空気に触れて酸化が進むため、3ヶ月から半年以内に使い切ることが推奨されます。大量にストックした場合でも、一度にすべて開封せず、一本使い切ってから次を開けるようにしてください。酸化したオイルは肌荒れの原因となるため、「油臭い」と感じたら使用を中止するのが鉄則です。
海外購入という選択肢と注意点
メルヴィータは日本市場から撤退しますが、ブランド自体が消滅するわけではありません。フランス本国をはじめ、香港、台湾、マレーシアなどのアジア地域、および欧州では引き続き展開されます。どうしてもメルヴィータ製品を使い続けたい場合、いくつかのルートが考えられます。
海外旅行時の購入は最も確実な方法です。フランス旅行のお土産や、台湾・香港への旅行時に免税店や現地の直営店で購入できます。
個人輸入・越境ECとしては、「Lookfantastic」や「Cult Beauty」など、日本への配送に対応している海外の大手コスメECサイトを利用する方法があります。また、Amazonなどで並行輸入品を購入することも可能ですが、並行輸入品は処方が日本版と異なる場合があるほか、輸送中の温度管理が不十分で品質が劣化しているリスクもあります。公式サポートは受けられないため、あくまで自己責任での利用となります。
メルヴィータの代替品として検討すべきブランド
メルヴィータが入手困難になった後、どのブランドに移行すべきでしょうか。ここでは成分品質、価格帯、ブランド哲学の観点から、メルヴィータの代わりとなり得る有力な選択肢を比較検討します。
オーガニック品質重視のプレミアムブランド
メルヴィータ同様、オーガニック認証を取得し品質に一切妥協しないブランド群です。メルヴィータのブランド哲学に共感していた方に最適です。
ジョンマスターオーガニックは、アメリカ・ニューヨーク発のオーガニックブランドです。ヘアケアが有名ですがスキンケアラインも充実しており、代替製品としては「ARオイル N（アルガンオイル）」があります。USDAオーガニック認証を取得しており、品質は極めて高いです。メルヴィータよりもやや価格帯が高めですが、スポイト式の容器デザインや都会的で洗練されたブランドイメージはメルヴィータに近く、百貨店等に店舗も多いため最もスムーズに移行できる選択肢の一つです。テクスチャーは少し重厚感があり、保湿力は抜群です。
レミオは日本発のオーガニックコスメブランドですが、原材料へのこだわりは並外れており、モロッコの現地農園と直接提携しています。代替製品の「オーガニック アルガンオイル」の最大の特徴は「未精製」であることです。脱臭・脱色を行わないため、アルガン特有のナッツのような香ばしい香りが強く残っています。これはビタミンEなどの有効成分がそのまま残っている証拠でもあります。メルヴィータの自然な香りが好きだった方や、より「原液」に近いパワーを求める方に適しています。
コディナはフランス発のオーガニックブランドで、創始者が植物油の専門家であり伝統的な製法を頑なに守っています。フランスの厳しい有機農業認証「ナチュール・エ・プログレ」を取得しており、オーガニック基準は非常に厳格です。アルガンオイルの品質はメルヴィータと双璧をなします。独特の発酵したような香りが特徴的で、より玄人向けのブランドと言えます。
コストパフォーマンス重視のデイリーユースブランド
メルヴィータを日常使いしていたが、もっと手軽にたっぷり使いたい方向けの選択肢です。
無印良品のアルガンオイルは、圧倒的な入手しやすさと価格の安さが魅力です。無香料・無着色で、精製度が高いため香りがほとんどありません。これは未精製オイルに含まれる微量成分は減少している可能性を示唆しますが、「ブースターとしての保湿機能」や「低刺激性」だけを求めるなら十分すぎる代替品となります。全国どこでも買える安心感は大きなメリットです。
エトヴォスは日本のミネラルコスメブランドで、皮膚科学に基づいたセラミドケアを得意とします。日本人の肌質に合わせた処方で刺激が少なく使いやすいです。オンラインやバラエティショップでの入手性も良好で、敏感肌の方がメルヴィータからの移行先として選ぶケースが増えています。
ナイアードはモロッコの生産者から直輸入するスタイルをとる日本の老舗ブランドです。パッケージはシンプルで飾り気がありませんが、中身のオイルは非常に良質で誠実な作りです。ハンドメイド感やトレーサビリティ（生産者の顔が見えること）を重視する方におすすめです。
機能・香り重視の別種オイルでの代替
必ずしもアルガンオイルにこだわらず、メルヴィータのような「ブースター効果」や「香りによる癒やし」を求める場合の選択肢もあります。
RMKの「Wトリートメントオイル」は、オイル層と潤い層の二層式になっているのが特徴です。柑橘系の爽やかな香りがあり、メイク前のブースターとして絶大な人気を誇ります。オーガニックではありませんが、「化粧水の浸透を良くする」「肌を柔らかくする」という機能面ではメルヴィータと比較されてきました。使用感はより軽く、メイクの邪魔をしません。
クナイプの「クナイプビオ オイル」シリーズ（ローズ、グレープフルーツなど）は、ドイツのハーバルブランドの製品でドラッグストアで購入可能です。100%天然由来成分でできており、「ロルロゼ」シリーズのようなボディケア用途や、香りを楽しみながらの保湿ケアに最適です。価格も手頃で、惜しみなく全身に使えます。
HABAの「高品位スクワラン」は酸化しにくいスクワランオイル100%で、一滴で顔全体に行き渡るコスパの良さが売りです。「酸化しにくい」「油焼けしない」という点ではアルガンオイル以上の安定性があります。オーガニック特有の香りが苦手だった人には、完全無臭のHABAが適しています。
| ブランド | 特徴 | 価格帯 | おすすめの方 |
|---|---|---|---|
| ジョンマスターオーガニック | USDAオーガニック認証、高品質 | プレミアム | 品質重視の方 |
| レミオ | 未精製、現地農園と直接提携 | ミドル | 原液志向の方 |
| 無印良品 | 入手しやすさ、低価格 | リーズナブル | コスパ重視の方 |
| RMK | 二層式、軽い使用感 | ミドル | メイク前使用の方 |
| HABA | 酸化しにくい、無臭 | ミドル | 香りが苦手な方 |
メルヴィータ撤退後も情報を保存しておくべき理由
メルヴィータの日本撤退は、一つの時代の終わりを象徴しています。しかし同時に、メルヴィータが日本に蒔いた種は確実に育っています。今やドラッグストアの棚にも「オーガニック」や「アルガンオイル」という言葉が溢れ、消費者は成分表を読み解き、自分に合ったオイルを選べるリテラシーを身につけました。これは、メルヴィータが15年かけて築き上げた最大の功績と言えるでしょう。
2026年3月のサイト閉鎖前に、自分のお気に入りの製品名、全成分表示、公式が推奨する使用方法のページをスクリーンショットやPDFで保存しておくことをおすすめします。後継品を探す際、成分比較をするための重要な「設計図」となります。
駆け込み購入は一時的な解決にしかなりません。手元のストックがあるうちに、代替ブランドのサンプルやミニサイズを並行して試し、自分の肌に合う「ポスト・メルヴィータ」を見つける旅を始めてください。肌は季節や年齢でも変化するため、これを機にスキンケア全体を見直す良い機会と捉えることもできます。
メルヴィータは世界から消えるわけではありません。本当に代えがたい製品であれば、越境ECなどを活用して使い続ける道は残されています。2026年3月31日、メルヴィータの日本での旅は終わりますが、その哲学である「自然の再生力」と「オイル美容の知恵」は、私たちが選ぶ次のスキンケアの中に、形を変えて受け継がれていくことでしょう。
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